2016 Fiscal Year Annual Research Report
On Building Social Consensus through Designing a Function for Manga(Sociability practice Manga)
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25340150
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Research Institution | Kyoto Seika University |
Principal Investigator |
竹宮 惠子 京都精華大学, マンガ学部, 教授 (80330033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 毅 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (70222304)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マンガ / アスベスト / マンガ・リテラシー / 石綿 / マンガと哲学 / マンガと心理学 / 震災 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.これまで行なって来た神戸大学とのマンガ制作作業『マンガで読む震災とアスベスト』が一段落し、マンガ研究科の留学生らと協力し、その中・韓国語版を制作して日本のみならず近隣の国においても役立つものとなるよう、また他国語でも社会合意形成が成り立つかを確認するために制作した。本年度後半には、さらに英訳版を試み、半年の時間をかけて完成し、現在、日・中・韓・英語版が神戸大学のリポジトリに納められている。
2.東大UTCPにて一般聴衆も含めたカンファレンスが行なえるとの可能性が示され、それをもって本研究のまとめとしたいと考え、実行した。東大UTCP(東京大学大学院総合文化研究科・教養学部付属の「共生のための国際哲学研究センター」)において行なわれる、一般聴衆を巻き込んでの分野を越えた哲学的考察である。参加者の数はそれ程多くはないが、知的な考察とともに発言をさせる場になっており、聴衆に対して双方向の形で情報が伝えられる。参加者にはそこで交わされた質問や答えが参加した意義となって残り、今後の持続的考察にもつながっていく仕組みだ。中でも特記すべきは、一般の聴衆にとってアスベスト問題が、もうこれ以上将来には出てこないだろうと思われていたことで、まだこれから近い将来にわたって被害者のピークが来ると聞いて驚いていたのが印象的だった。
3.マンガの言語的表現の発達を調べるため、発達のスパンを大体5年と仮定して1950年から2000年まで5年ごとに分け、少年マンガと少女マンガのカテゴリーに分ける。その上で言語的表現を10個のカテゴリー別に、1.吹き出し形状 2.走る 3.オノマトペ 4.ハッと気づく 5.叫ぶ 6.赤くなる(恥ずかしい) 7.部屋を出る 8.泣く 9.強い否定 10.激昂に分け、それぞれ10例ずつを図版で集め、それらをExcelの表に落とし込み、簡単に比較でき、微妙な差異を確認。
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