2014 Fiscal Year Research-status Report
自転車と共生するための利用者視点にたった交通環境整備に関するデザイン提案
Project/Area Number |
25350013
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
曽我部 春香 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (50437745)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 昌嗣 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (20243975)
杉本 美貴 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (00635047)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 自転車通行環境 / サインデザイン / インフォグラフィクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、海外事例としてヘルシンキ(フィンランド)およびストックホルム(スウェーデン)において自転車通行環境の調査を実施したほか、東京都23区内および福岡市内各所の自転車通行環境の調査を実施した。海外事例とこれまでの日本の比較的先進的な事例の調査結果を比較したり、自転車通行環境整備箇所の周辺状況等の違いによる比較分析を行うことで、詳細な考察を行った。日本の事例では、各情報提供方法について、非常に多くの工夫が行われている。一方で、調査を実施した北欧2国では、自転車通行空間を取り立てて主張するような工夫があるようには思えなかった。やはりユーザーの自転車に対する認識の変換を行うことが最重要点となると言えたが、詳細の分析により、日本の自転車通行空間の各所に設けられている情報提供方法の工夫が、全体として自転車通行空間を認識した場合には、各工夫間が干渉しあい、有効な工夫としてうけとれなくなっていることがわかった。これまでは、筆者も各情報提供の方法をどうするかに関する改善を行うことを念頭に研究を進めてきたが、各情報提供の方法や表現に配慮することに加え、全体を把握する視点が必要であることを導出できた。全体把握の視点を整備に際して取り入れるために、各周辺状況を判断し、どの箇所の情報提供の方法を工夫するか等のヒエラルキーを見極めるための方法を確立する必要がでてきた。今後は、自転車通行環境を景観としてとらえた場合の整備方針の立て方に関して言及していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査を詳細に行ったことにより、今年度は自転車通行環境整備時の方針を決定する際のポイントを導出することができた。今後は、この基本の考えに基づき、デザイン案と整備時の整備方針の決定のフローを明確にしていくことができるため、最終年度に向け概ね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の調査と詳細分析により、方針を決定することができたため、今後はそれらの具体化(デザイン)を行う。具体化の結果をガイドラインのような、一般的にもわかりやすいものにまとめることができるよう工夫を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
今年度は分析を詳細に実施し、時間を要したため、研究成果を学会等で公表できていないため。また、具体化に関する予算の執行が行えていないため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内学会および国際会議での発表を予定(現在、査読中)している。また具体化(デザイン)のために必要となる資料等を購入する予定である。
|
Research Products
(1 results)