2013 Fiscal Year Research-status Report
家電製品のエコロジカルな使用を促すエコ表示開発のための調査及びユーザ評価
Project/Area Number |
25350014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉本 美貴 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (00635047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 昌嗣 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (20243975)
曽我部 春香 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (50437745)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲーミフィケーション / エコデザイン / 家庭電化製品 |
Research Abstract |
本研究は、家電製品など電気やエネルギーを用いた製品において、製品使用時にユーザ自身が環境に配慮した機器の使用を行うよう促すデザイン基準の開発が目的である。そのために、近年ユーザの関心を高める手法として脚光を浴びているゲーミフィケーションの要素をエコ表示に応用した場合の効果について検証する。エコデザインに関する研究の中で類似の研究は他に見られず、独創的な研究である。 平成25年度は、まず現在ゲーミフィケーションが用いられている様々な分野の成功事例について調査を行った。その結果、ユーザの行為と関係の深い「代替表示」「互換」「競争」「協力」「実用的報酬」「仮想的報酬」の6つのゲーム性が利用されていることが解った。これらのゲーム性はユーザの行為の種類別に「行為の変換」「行為の共感」「行為の承認」の3要素に分類できた。合わせて、現在実際に商品化されているエコ表示についての実態調査を行った。これらの調査結果から、家庭電化製品のエコ表示にゲーミフィケーションを効果的に用いるには、ユーザの行為をこの3要素に含まれるゲーム性を使って表現した表示内容にすることが重要だと推察される。本研究結果については、日本デザイン学会へ論文を投稿し現在査読中である。 次に、この調査結果に基づきゲーミフィケーションを用いた表示案を考案した。現在、その効果について検証するために、実際にユーザの家庭で使用されている冷蔵庫に取り付けられる表示装置を開発中であり、本年度、この実験装置を用いて調査を実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では平成25年度にゲーミフィケーションが利用されている様々な分野の成功事例と、現在家電製品やHEMSで行われているエコ表示の事例調査分析・体系化を予定していたが、これについては計画通り論文を作成し現在査読中である。 また、平成26年度前半にエコ表示の継続使用実験を終了し、平成26年度中に調査結果の分析を行う予定であるが、実際に平成26年度の10月までに継続実験が終了予定であり、ほぼ当初計画通り推進できている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度5月~10月にかけて、被験者宅で実際に使用中の冷蔵庫を使って、本研究で考案したエコ表示の継続使用実験を実施する。その後、実験結果について分析し平成26年度中に報告書を作成する。 平成27年度は実験結果を反映させたエコ表示の事例となるデザイン案を制作し、長期使用実験、アンケート調査を実施する。長期使用実験とアンケート調査結果に基づきデザイン案を修正し、修正を施したデザイン案をユーザのエコロジカルな機器の使用を促す効果の高いエコ表示の事例となるデザイン案として広く公表し速やかに社会に還元する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費については、平成25年度に80万円で外注での製作を予定していた実験用アプリケーションの開発が計画より遅れてしまったため、当該年度に納品できなかったことが主要な要因である。また、そのために当該年度内の外注先との打ち合わせのための旅費が少なかったことも理由である。 その他の旅費、人件費については、上記実験装置製作の遅れに伴い、被験者宅での継続使用実験の着手が平成26年度にずれ込んだため被験者宅へ出張のための旅費や謝礼が発生しなかったため計画を下回った。 平成26年度前半は、外注での製作を予定していた実験用アプリケーションの開発の費用が発生する。また、そのための実験装置機材の購入も必要となる。更に、平成26年度後半には、追加実験のためのアプリケーション開発、実験装置の製作のための予算が必要となる。 旅費については、被験者宅での継続使用実験のために、4名の被験者宅への月1回の出張、情報収集のための国内・国際学会への出張などが見込まれる。 人件費については、被験者への謝礼、実験データ整理のためのアルバイト代などを計画している。
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