2014 Fiscal Year Research-status Report
懸念を外在化させる対話型アンケートシステムの対話デザイン研究と実装
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25350019
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
岩倉 裕子(大塚裕子) 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (10419038)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 対話デザイン / ファシリテーター / ディスカッション / 意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、互いに質問を引き出しながら意思決定を行うディスカッションを対象に分析を進め、プロのファシリテーター5名を対象に、ディスカッションに対する質的評価の調査を実施した。これにより、プロのファシリテーターらの対話構築における質問技法が明らかになり、プロトタイプシステムの改良につなげることができた。 互いに質問を引き出しながら意思決定を行うディスカッションの分析では、異なるタイプの3グループを対象に、共通するテーマでディスカッションを実施した。このディスカッションでは、意思決定のデザインに二つの傾向が見られた。一つは、特定のファシリテーターが会議進行を単独で進めるのではなく、ディスカッション参加者が話題の状況に応じて、相互にファシリテーターを務めあう進め方である。このディスカッションの進め方では、そのつどのファシリテーター役割の参加者の働きかけの発話と、参加者の承認発話が効果的に機能していた。一方、特定のファシリテーター役の参加者が、進行を務めるディスカッションでは、参加者が順次発話するような発表スタイルのディスカッションになっていた。 この二つのディスカッションの進め方に対し、プロファシリテーターは対極的な評価を行った。この分析とファシリテーターの評価は、ユーザの興味関心を引き出すシステムの対話技法として重要なものである。プロトタイプシステムの改良においては、働きかけと承認発話のパタンを対話デザインとして実装した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビュー対話のモデル化およびシステムとしての実装に向けて、プロファシリテーターによるディスカッションの評価調査を行うことで、必要なデータや知見は蓄積している。予定通り計画は進めているが、成果の進捗の発信について、さらに積極的に進める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
ファシリテーターらとともに収集・作成したファシリテーションデータを分析し、インタビュー対話モデルを構築する。最終年度として、これまでの分析を研究成果として発表すること、評価実験を実施することが課題である。
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Causes of Carryover |
プロトタイプシステムの改良費が当初の見積もりよりも低かったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
システムの機能実装を充実させる
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