2014 Fiscal Year Research-status Report
近世日本の図の特性抽出のためのオンライン・プラットフォームの構築
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25350031
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
出原 立子 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 准教授 (00299132)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 図的表現 / 近世日本 / 図の体系化 / 視覚情報デザイン / 芸術工学 / 情報文化 / デザイン学 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年に引き続き、全国の主要な図書館・資料館より近世日本の図の調査、資料の収集を行い、さらに、オンラインを通じて公開されている公共図書館・資料館等の文献データベースや画像データベースより、近世日本の図に関するデータを取得し、それらを図の形態的特徴により分類することを可能にする手法の検討を行った。その結果、予想以上に各施設によって公開データの形式に違いがあり、統一横断的に図のデータを検索する方法構築が難しい状況であることが確認された。 また、文献データベースにおけるデータ構成を調査した結果、文献資料の中に含まれる図を検索、抽出することを可能にするデータが不十分であることが判明した。これは、図書館で扱う情報において図的表現の扱い方、あるいは文献に含まれる図的表現についての扱い方に関する根本的な問題を含んでおり、本研究において難しい問題解決を要する状況となった。 続いて、国内のこのような状況を踏まえて、海外の主要図書館、博物館、資料館等におけるオンラインを通じて公開されている文献データベース、および図的表現などを含む画像データベースの環境を調査した。その結果、特にヨーロッパ圏では国を越え、また図書館、資料館同士の垣根を越えて、横断的に文献資料を検索・閲覧・収集することのできるプラットフォーム構築の動きが活発であることが確認できた。 さらに、今年度新たに、図の形態的な特徴によって分類された図形と、図形が示すおおまかな意味について関連性の分析を、収集データを用いて行った。現在その分析方法を定めるための予備調査の段階であり、今後その成果を元に分析を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
図のデータを抽出するための方法の検討に予想以上に時間を要しているために、予定よりもやや遅れている状況にある。すなわち、各図書館、資料館等によって公開データの形式に違いがあり、統一横断的に図のデータを検索する方法構築が難しい状況であることが確認されたためである。さらに、文献データベースにおけるデータ構成を調査した結果、文献資料の中に含まれる図を検索、抽出することを可能にするデータが不十分であり、これに関する問題解決策の検討に時間が掛かっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の継続的な活動として、これまでの研究成果である図の形態的分類方法を活用して、図の形態的な特徴によって分類された図形と、図形が示すおおまかな意味について関連性の分析方法を定めて、収集データを用いて分析を進めていきたい。 さらに、全国の図書館・資料館のオンライン公開データのデータ形式やデータ取得方法が統一されていない問題を踏まえて、今後横断的に図的表現に関する資料を検索・閲覧するために必要な事柄を整理し提案策をまとめたい。また、近世日本の図の特徴を明らかにするために、図の形態的特徴に基づいた分類結果を明解に表現できるビジュアルシステムを構築し、プラットフォーム構築の素地となる成果を目指したい。
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Causes of Carryover |
研究推進のための予備調査に掛かる時間を要したために、今後行うシステム開発や調査のために回すことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は主要な図書館、資料館等の文献データの調査をさらに実施し、図に関するデータ抽出のための方法の構築とそれに必要な環境構築の提案策をまとめるための調査費用として活用したい。また、近世日本の図の形態的特徴に基づいた分類結果を明解に表現できるビジュアルシステムを構築しするための開発費用に活用したい。
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