2013 Fiscal Year Research-status Report
環境及び生態系・生物多様性に配慮したブランド米の消費購買意識調査
Project/Area Number |
25350039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
稲垣 雅一 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 准教授 (60451548)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コンジョイント分析 / 生態系・生物多様性 / ブランド米 |
Research Abstract |
本研究では,環境や生態系・生物多様性に配慮した様々なブランド米を対象として,その保全対象である種や目的が異なった場合に,消費者がどのような保全対象や目的に,より関心を持つか定量的に把握することを目的としている.今年度においては,ブランド米を対象にした消費購買意識調査についての文献を整理し,さらに,環境評価やマーケティング調査においてコンジョイント分析を行った文献を整理しているところである. ブランド米について,市場調査を定量的に行った研究はいくつか存在する.例えば,西村・松下・藤栄(2012)では,滋賀県における「魚のゆりかご水田米」に対する消費者の購買意志の規定要因について分析を行っている.また,堅田・田中(2008)ではトキの野生復帰を目的とする環境保全米を対象として,矢部・林(2011)では,兵庫県豊岡市で取り組まれている「コウノトリ育むお米」を対象として分析を行っているものの,いずれの研究においても,単一のブランド米についての調査に留まっており,Aというブランド米とBというブランド米の保全対象となる種の違いや目的の違いによる影響などを横断的に比較検討した研究は存在していない. また,本研究で用いるコンジョイント分析については,環境評価に適用し,実証分析を行った先行研究が,いくつか存在する.そもそもコンジョイント分析は,計量心理学の分野で誕生し,マーケティング・リサーチなどの分野で研究が進められた.そして,1990年代には,環境経済学,特に,環境評価の分野へ応用され,研究が進んでいる.これらのコンジョイント分析の歴史等については,Holmes and Adamowicz(2003)などに詳しい. 以上が概要であるが,現状として環境評価やマーケティング調査においてコンジョイント分析を行った文献のサーベイが不十分であり,今後,早急に進めたいと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,「環境及び生態系・生物多様性に配慮したブランド米の消費購買意識調査」と題し,消費者がどのような保全対象や目的に,より関心を持つか定量的に評価するため,以下の四段階の計画により研究を進める. 第一段階としては,従来の単一のブランド米を対象とした調査等の既存研究について整理する.第二段階としては,環境や生態系・生物多様性に配慮したブランド米を生産している農家やNPO等へヒアリングを行い,事例調査を行う.第三段階では,仮想的なブランド米の保全対象や目的を属性とし,それらを様々に組み合わせアンケート票を作成し,プレ調査を行う.第四段階では,本調査および調査結果の解析を行う.また,解析結果を農家の販売戦略へ活用してもらうことや,関係するNPOなどにも成果を発信することを予定している. 平成25年度においては,第二段階の途中まで実施することを予定していた.具体的には,環境や生態系・生物多様性に配慮したブランド米の事例調査を行う段階まで研究を進める予定であった. 現状としては,ブランド米を対象とした消費購買意識調査における既存研究の整理については,順調に整理ができているものの,分析手法であるコンジョイント分析についての文献整理が遅れている. よって,これらを早急に進め,次の段階である農家やNPOへのヒアリングを行いたいと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
現状として遅れているコンジョイント分析についての既存研究の整理を急ぎ,ブランド米を作っている農家やNPOへのヒアリングへ入って行きたい.さらには,これらの調査結果をもとにアンケートを設計しプレ調査を行っていきたいと考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究を通して利用するPCの購入や,ヒアリング調査が遅れているため次年度使用額が生じている. 研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが,研究計画に変更はなく,前年度の研究費も含め,当初予定通りの計画を進めていく.
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