2015 Fiscal Year Research-status Report
被災地の未来を切り拓き、生きる力を培う家庭科におけるキャリア教育の検討
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25350042
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
志村 結美 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (00403767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 典子 郡山女子大学, 家政学部, 准教授 (80615443)
大橋 寿美子 湘北短期大学, 生活プロデュース学科, 教授 (40418984)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | キャリア教育 / 被災地 / 家庭科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
被災地の未来を切り拓き、生きる力を培う家庭科におけるキャリア教育の検討を行うために、平成27年度は、1.小学生対象調査、2.小学校教員対象調査、3.小学校家庭科における授業開発4.福島県サテライト高校家庭科教員対象調査のまとめ、5.福島県葛尾村応急仮設住宅実態調査の分析を行った。以下はその結果の概要である。 1.小学生対象調査(男子311名、女子287名、計598名(静岡県1校、山梨県1校)3~6年生対象)では、将来の夢の有無は、自分への自信や、自己理解、キャリアプランニング能力の高さと関連が深いことが明らかとなった。さらに、生活習慣等が確立している児童は、「基礎的・汎用的能力」の全てが高いことが明らかとなった。 2.小学校教員対象調査(家庭科担当教員対象、男性35名、女性207名、計242名(山梨県125名、静岡県119名)のうち、ヒアリング調査として、先進的に授業実践を行っている教員4名に実施した。結果、キャリア教育の重要性や家庭科での必要性は感じているものの実践には結びつかない現状が明らかとなった。 3.以上の小学校対象調査や昨年度までに行った高等学校教員対象調査、大学生対象調査等をもとに、小学校家庭科におけるキャリア教育の授業開発を行った。授業で使用できる家庭科キャリアブックを作成し、1つの単元を通して、家庭科の特徴を生かした「基礎的・汎用的能力」を育成できるよう構成し、自己評価のできるチェック欄や、授業後の家庭での実践の記録欄等を設定した。 4.福島県サテライト高校家庭科教員対象調査は、昨年度実施した福島県相双地区のサテライト方式校3校と協力校(仮設校舎が敷地内にある高校)1校の家庭科担当教員4名を対象の訪問聞き取り調査の内容を論文にまとめた。そこでは、仮設校舎の設備、家庭科の授業の現状と工夫、高校生の現状と課題等が明らかになった。 5.昨年度行った福島県葛尾村応急仮設住宅実態調査の分析は現在継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
親族の介護、身内の不幸、研究分担者の病気により、予定していた調査の一部を完了することができなかった。よって、未調査分を引き続き実施し、分析を深めていくことにより、より質の高い研究をめざすために来年度まで研究の延長を行うことにした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、福島県を中心とした被災地の児童・生徒の実態調査を行い、被災地に向けた家庭科におけるキャリア教育の構築を行う予定である。 また、研究の総括として、報告書を作成し、研究結果を論文としてまとめ、投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
親族の介護、身内の不幸、研究分担者の病気により、平成27年度に実施を予定していた「山梨県、福島県の児童・生徒の実態調査」について、山梨県の児童の実態調査は完了したが、福島県の児童の実態調査を行うことができなかったため、未使用額が発生した。よって、未調査分を引き続き実施し、分析を深めていくことにより、より質の高い研究をめざすために来年度まで研究の延長を行うことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は、福島県を中心とした被災地の児童・生徒の実態調査費用、また、論文投稿費、報告書作成費として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)