2015 Fiscal Year Research-status Report
生活圏単位で健康関連ライフスタイルの変容を把握する方策に関する研究
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25350050
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
坂井 博通 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (60249191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新村 洋未 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (70315703)
若林 チヒロ 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (40315718)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 健康 / ライフスタイル / 長寿 / 短命 / 調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、健康にかかわる基本的なライフスタイル(栄養、運動、睡眠、人間関係、生きがい等)の実態や意識が平均寿命の地域差とどのようにかかわるかを明らかにすることを目的としている。また、地域のライフスタイルの実態を地域に情報提供し、ライフスタイルの改善に資することも目的としている。そのために、平均寿命が短い青森県、長い長野県、長い地域から短い地域に変わった沖縄県において調査を行ってきた。 本研究は特に10年前に女性を対象に行った調査とほぼ同一の調査項目を用いて調査を行い、各県の地域のライフスタイルの変化を検討した。実際に調査を実施した地域は、青森県黒石市、長野県中野市そして沖縄県豊見城市であった。 その結果、各地域とも10年前と比べると全般的に健康にかかわるライフスタイルの改善が見られ、地域差が縮小したと考えられる。また、男性についてもほぼ女性と同様の地域差が見られた。しかし、以上の結果や特に青森県の保健医療福祉の取組などを調査していると、短命県として知られる青森県の平均寿命が他の地域と近づいていくことも予想された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の最大の目的である長寿地域と短命地域に関して、健康ライフスタイル比較調査を行うことができたため。 また、結果を地域の新聞等で報道して、市民の健康ライフスタイルに関する気づきに貢献できたため。 ただし、個々のライフスタイルに関しては、過去10年間の変化が大きいものやほとんど変わらないものに分かれ、その理由の解明という課題は残されている。また、集団の平均像の比較検討であるため、個人をコホートで追いかけ、加齢にともない健康ライフスタイルがどのように変化するかしないかを見極める重要な課題も残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を効率よく遂行できたため、予算をさらなる研究に投下することができる。したがって、青森県、長野県、沖縄県で成人に対して行った研究成果を踏まえて、新たに課題として浮上した事柄を調査で明らかにしていければと考えている。その際には、調査地域を訪れ、調査地域の保健行政担当者へのさらなるヒアリング等を行いたい。 また、これまでの調査の中心は、成人対象であったことからさらに若年層にも調査対象を広げることができれば、地域の人々のライフスタイルの形成過程の一端をも明らかになるので、さらに検討していきたい。
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Causes of Carryover |
3地域への調査が効率よく実施できたために余剰予算が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実施できた調査の分析を通して得られた課題を分析する。また、可能であれば調査対象を未成年にも拡大してさらなる調査を実施する。
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