2014 Fiscal Year Research-status Report
生活圏内での感染症媒介昆虫(蚊)とヒトの接触頻度と患者数の関係
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25350063
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
村上 学 金沢医科大学, 総合医学研究所, 講師 (00288309)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本脳炎 / コガタアカイエカ / 感染症 / アルボウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年度より開始したドライアイス+CDCトラップによる日本脳炎ウイルス媒介蚊(コガタアカイエカ)採集は既存6箇所+新規6箇所(本助成により増設)、計12箇所で実施した。 2013年度夏期、石川県は高温多湿であったためコガタアカイエカ発生が非常に多く(10,401頭)、日本脳炎患者発生が懸念されたが県内での患者発生はなかった。 2014年度夏期は日照時間と降水量共に多く、最高気温はあまり高くないシーズンであった。このためかコガタアカイエカの発生も少なかった(3,306頭)。 本年度採取したコガタアカイエカからRT-PCR法を用いてウイルスRNA検出を試みた結果、日本脳炎ウイルス保有率は0%であった。 コガタアカイエカ発生数は気象条件に左右され、さらに蚊発生数が余り多くないシーズンでもRT-PCR陽性サンプル数が多い年(2010年度)もあり注意が必要である。 2013-2014年度北陸地方では日本脳炎患者は確認されなかったが媒介蚊発生数が増加した場合、患者発生リスクは低くはない。本研究での蚊採集地点はいずれも畜舎(豚や牛)近隣に水田、畑、商業施設、民家や校舎(保育園、幼稚園、小学校や中学校)が混在しているヒト生活圏とウイルス(媒介蚊と増殖動物)が濃厚接触する可能性が高い地域である。2007年夏期には日本脳炎国内患者数9例中2例が石川県で報告されており、突発的な患者発生に備えウイルス媒介蚊のモニタリングを継続することは重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究目的は毎シーズンでのウイルス媒介蚊発生数のモニタリングであり、研究が進む、進まないといった達成度とは性質を異とする。本申請4年間中の2/4(2013-2014年度)は問題なく終了した。現在、残り2/4(2015-2016年度)を遂行する準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の研究計画と変わることなく、ウイルス媒介蚊の発生数モニタリングを継続して行く。研究計画の変更や問題点はない。
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Causes of Carryover |
悪天候によりモニタリング実施時にトラップが損傷したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新規トラップを購入する。
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