2013 Fiscal Year Research-status Report
曝露昼光照度が睡眠・余暇時間に及ぼす影響に配慮した閉空間の光環境を考える
Project/Area Number |
25350065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
國嶋 道子 京都女子大学, 家政学部, 教授 (10178014)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ライフスタイル / 余暇時間 / 睡眠時間 / 曝露昼光照度 / 閉空間 |
Research Abstract |
地下街店舗・地上接道店舗に勤務する人々を対象に職場の光環境意識調査及び生活スタイル・睡眠に関する調査を行った。 地下街勤務者と地上店舗勤務者とで睡眠の質に違いは認められなかったが、地下街勤務者は、地上店舗勤務者に比べて、入床後、入眠までに時間がかかる人が多い。地上店舗勤務者は20分以内に眠りにつく人が多いが、地下街勤務者ではそれ以上かかる割合が高い。地下街で働き始めてから約30%の人が心身の変化を感じている。体調面では喉が痛いなどの耳鼻咽喉に関する不調を感じる人が多く、精神面では約50%の人で気分が憂鬱になることがあると回答しており、落ち込みやすい、イライラするなどの変化を感じている。また、太陽を見ると落ち着く、休み時間に地上に出たくなる、日光に当たる時間が少ないせいか体調が良くない日があるなど昼光が心身に影響を与えていると感じている。地下街勤務者で、心身の健康を保つために光を浴びて昼食をとる、外気に当たってから地下街に入るなどの工夫をしている人もいる。これらのことから、地下街勤務者は少なからず、昼光が心身に与える影響を感じており、昼光を意識している。 曝露照度・活動量と睡眠効率に関しての予備測定を行った結果、地上店舗勤務者については、平均活動量と睡眠効率で相関関係が認められたが、平均曝露量と睡眠効率で相関関係は認められない。日没以降の曝露照度・色温度が睡眠に影響があるとされているが、今回の地上・地下の調査からはその傾向は認められない。その原因として被験者数が少なかったこと、計測機器の装着時間が怠られたことがあるなど、また個人差もあると考えられ、今後被験者を増やすと共にデータ収集方法や分析方法について更なる検討が必要であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回調査対象とした地下街勤務者では物品販売の仕事が多く、常時勤務者は各店舗1名程度で他はアルバイト、パート勤務者がほとんどであることが分かった。従ってアルバイト、パート勤務者は地下街での特に午前中の生活時間が短く、常時勤務者の回答数が得られにくくサンプル数が十分でない結果となった。今年度は補足調査としてさらに地下街の範囲を広め常時勤務者のサンプル数を確保したい。また,昼光を浴びることの少ないと考えられる職種の人々も対象に調査を行うことを検討したい。 また、活動量と昼光曝露量の実測調査に協力していただいた被験者のなかには、Actiwatchの装着忘れなどがあり,予備測定といえども1週間きちっと得られたデータが限られていた。協力者に理解が得られるよう十分な説明をするよう再検討を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
まず,夜型の生活をしている学生をはじめ昼夜逆転の生活者に広く調査対象を広げたい。その為にはインターネットによる調査も視野に入れ検討するとともに,夜型生活を行っている身近な方に被験者になっていただき、研究の趣旨を理解していただき、昼光曝露量の測定や活動量との関係と余暇時間・睡眠との関係を把握するように努めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査対象者数が少なかったこと,それに伴うデータ入力の為の謝金がいらなかったこと、予備測定としてお願いした被験者が,データが正しく取れていなかったことにより謝金の受け取りを辞退したことによる。 データ入力の謝金,調査回収のための郵送費などを考慮して,インターネットによる調査も視野に入れ検討したい。インタ-ネットによる調査は信頼のおけるデータを得るにはそれなりの費用を必要とするので次年度使用額を有効に生かす為にも検討し、より確かなデータを得ることにつなげたい。また,被験者にも研究の主旨を理解してもらい十分な謝金を支払うことでより確かなデータを得る為に協力をお願いしたい。
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