2014 Fiscal Year Research-status Report
幼児の自立起床の確立要因の検索とストレス指標からみた生活改善効果の評価
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25350066
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
岸本 三香子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (80312130)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 幼児 / 唾液コルチゾール / 生活習慣 / 食事状況 / 睡眠 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
〈目的〉先行研究から起床状況が幼児の健康状態や体温調節機能に影響し、規則的なコルチゾール分泌が基本的生活習慣の確立に重要であると推察された。一方、生活リズムの確立には食事が関連する事が示唆されている。本研究では、幼児の唾液コルチゾール濃度と睡眠及び食事との関連を検討した。 〈方法〉幼稚園に通園する5歳児16名を対象としH26年9月に3日間実施した。睡眠覚醒リズムに関するアンケート調査を実施した。体温は1日7回測定し、唾液は起床時、登園時、降園時、就寝時の4回採取し測定に用いた。食事摂取状況調査は、平日の3日間の食事内容を保護者に依頼した。幼児の活動水準を把握するため、UP24(JAWBONE社製)の装着により歩数及び睡眠時間、睡眠の質を測定した。 〈主な結果〉幼児の唾液コルチゾール濃度は、起床時に最も高くその後著しく低下し、就寝時に最も低下する波形を示した。UP24により算出された合計睡眠時間は8時間28分、目覚めていた時間は1時間27分であり、寝ていた時間は9時間55分であった。深い眠りの長さは、起床時のコルチゾール値及び日内変動の振り幅と正の相関傾向を示した。また、目覚めていた時間は登園時、就寝時と正の相関を示した。9品目の食品摂取頻度及び欠食の有無によりカルシウムの摂取状況を算出したカルシウム摂取得点は、合計睡眠時間と有意に正の相関を示し、目覚めていた時間と青菜や海藻と負の相関を示した。波形が不規則な幼児は、合計睡眠時間には差がみられなかったが目覚めていた時間や回数が有意に多く、カルシウム摂取得点は低値を示した。生活習慣では、寝る前におやつを食べる習慣があり、自立起床できなかった。幼児のコルチゾール濃度と睡眠との関連が推察された。また、コルチゾール波形は、睡眠状況や食事内容により影響を受けることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、幼児の自立起床の確立要因の検索とストレス指標からみた生活習慣改善効果を評価することを目的とする。幼児の睡眠覚醒リズムの実態を調査し、それらと食事・運動などの生活習慣および疲労度などの健康状態との関連から自立起床の確立要因を明らかにすることである。 調査項目としてアンケート調査のほかに、体温及び唾液コルチゾールの測定、食事調査がある。さらに幼児の活動水準を把握するため、UP24(JAWBONE社製)の装着により歩数及び睡眠時間、睡眠の質を測定した。本調査では、測定方法を変更する事により対象者は16名と多く、唾液コルチゾールと睡眠の質を判定することができ、唾液コルチゾール波形は睡眠や食事と関連が認められた。 これらのことより、食事改善や生活改善による効果を検討することが必須となるが対象幼稚園との関係で、本年は改善効果を検討するまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年までの方法を踏襲し、対象者の睡眠覚醒リズムを含む生活習慣に関するアンケート、体温及び唾液コルチゾールの測定、活動水準の測定、食事調査を行う。 本年は、ストレス指標からみた生活習慣改善効果を評価することを目的とするため、調査後には食事調査や生活調査の結果を返却すると共に食事内容や生活習慣で問題がみられた項目を示し、個別に改善するよう支援する。一定期間支援した後には同調査を行う。食事内容や生活習慣改善による健康度や唾液コルチゾールを測定し、改善効果を検討することを目的とする。 また、同時進行として、本対象者以外に対し幼児の自立起床の確立要因の検索を行うためにアンケートによる要因検索を行う。
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Causes of Carryover |
本研究では、幼児の自立起床の確立要因の検索とストレス指標からみた生活習慣改善効果を評価することを目的とする。調査項目として、アンケート調査のほかに、体温及び唾液コルチゾールの測定、食事調査がある。 本年度は調査方法を変更することにより調査対象者を16名確保することができ、本年度予算とほぼ同額を支出した。来年度は、本年度の調査に加え生活改善の効果を検証するため、本年度以上の支出を必要とする。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は、今年度の調査に加え生活改善の効果を検証するため、本年度以上の支出を必要とする。さらに、過去3年間の調査結果を統計解析するため、詳細を調査するソフトの購入を計画している。
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Research Products
(3 results)