2015 Fiscal Year Annual Research Report
教育の情報化に対応した中・高等学校の家庭科住居領域の授業開発に関する実証的研究
Project/Area Number |
25350076
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
速水 多佳子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90578676)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 家庭科 / 住居領域 / 教育の情報化 / ICT活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災から5年あまりが経過した現在もなお,避難者が約17万人にのぼっている。この未曽有の災害によって,家族の絆や家族が生活する器である住居の重要性が再認識されている。住居に関する知識を得る場として,学校教育の中では家庭科が大きな役割を担っている。しかし,家庭科で扱う様々な領域の中で住居領域は,指導の困難さから扱いが低調であることがこれまでに指摘されながらも改善が見られない。そこで,現在求められている教育の情報化に対応した住居領域の授業開発に関する実証的研究を行った。今後より豊かな住生活を実現していくために,生徒の情報活用能力の育成をめざし,教員のICT活用によって高い教育効果が得られる授業を開発し,住居領域の指導の充実に資することを目的とした。 まず,教育の情報化が推進されている背景について文献から整理するとともに,研究会等で先進的な取組やICT機器を活用した授業事例の情報収集を行って現状を把握した。家庭科は衣食住などの生活全般を学習対象としているという教科の特性から,ICT機器の活用は授業の質を高める効果があり,授業開発を進める意義が確認できた。授業開発のために,住居領域の指導内容を小学校・中学校・高等学校教科書の記載事項を分析して,学校段階ごとに指導事項を整理した。また,中学校と高等学校の家庭科教員を対象とした調査を実施して,実態から指導上の課題を明らかにした。これらの結果から,高等学校における住居領域の授業を開発し,ICT機器を活用した授業実践を行い,その効果を検証した。教員は,生徒の住居領域に対する興味・関心が低いと感じているが,実際は内容によって学習意欲があること,学びによる役立ち感は高く,ICT機器の活用で理解が深まり効果的に授業が進められることが明らかとなった。
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