2016 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of the energy conservation by seasonal choice of living space of middle and elderly resident
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25350077
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
澤島 智明 佐賀大学, 教育学部, 教授 (40404115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 斎樹 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (80165860)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 滞在場所選択 / 環境調節行為 / 住宅 / 温熱環境 / 省エネルギー / 暖房 / 冷房 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度からの継続的な実態調査により、冬期は暖房条件の整った室に居住者が集まって過ごす傾向が広く見られること、夏期は世帯による通風意識の違いによってエアコン使用と滞在場所選択の実態が大きく異なるが、概して下階や北側空間、通風を得やすい空間での滞在を増加させる傾向があること等を示した。平成26年度からはこのような居住者の生活実態を熱負荷シミュレーションの在室条件と暖冷房条件に落とし込み、建築学会の住宅標準モデルを用いて熱負荷シミュレーションを行った。結果、居住者の滞在場所選択行動のパターンによっては実際の暖冷房エネルギーの削減につながるという結果を得た。一方、夏期の通風実態に不明確な点が多かったため、平成27・28年の8月に追加調査を行ったが、十分なデータを得ることが出来なかった。そのため、夏期のいくつかの選択行動パターンについては仮定の通風条件別に冷房エネルギー削減効果を示した。 また、本研究の発展的調査を平成26年度からベトナムで実施していたが、平成28年度はその調査結果を詳細に分析し、同国の住宅においても居住者の滞在場所選択行動が見られることを明らかにした。 居住者が季節に合わせて滞在場所を変化させるという日常生活上の工夫を行えば、暖冷房エネルギー使用を削減できる可能性があることを量的に示したことは今後の省エネルギー推進の上で大きな意義がある。また、そのような住まい方の工夫が日本以外の国でも応用できる可能性を示した意義も大きい。 平成28年度はこれまでの調査結果を総括し、既存研究に対して本研究が新規に明らかにした内容を明確にし、今後の課題を整理した上で報告書をまとめた。 本研究の研究成果は日本建築学会環境系論文集、佐賀大学教育学部論文集に掲載された。また研究期間中、日本建築学会大会、家政学会大会等で毎年発表を行った。平成29年度以降も継続的に発表を行う。
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