日本の住宅における温熱環境評価のための新しい着衣熱抵抗の測定方法の検討

2013 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25350089
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Kure National College of Technology
• Principal Investigator: 大和 義昭 呉工業高等専門学校, 建築学分野, 准教授 (20450140)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2016-03-31
• Keywords: 着衣熱抵抗 / 熱流計 / 呼気代謝分析 / サーマルマネキン / 姿勢 / 日本 / 住宅

Research Abstract

平成26 年度に行なう予定である被験者を使う二つの実験（人体からの放熱量を熱流計で測定し，その熱流量より衣服の熱抵抗を測定する実験と，人体からの放熱量を呼気代謝分析装置を使って測定し，その熱流量より衣服の熱抵抗を測定する実験）に先立って，被験者の負担軽減や正確な測定を実施するために,人体を使った二つの測定実験に対して十分に修練を積んでおく必要がある.また,床面との接触伝導による人体と床面との熱交換を考慮する必要のある臥位や平座位での測定を行なうためには,現有の人工気候室の床面に新たに人体からの熱授受量を測定する熱流測定装置の追加設置が必要となる．
そこで25年度は，人工気候室床面に熱流計を設置したうえで，人体からの放熱量を熱流計で測定する新しい方法と，呼気代謝分析装置で測定する方法による clo 値測定の予備実験を行った．その結果，人体からの放熱量を熱流計で測定する方法については，被験者の体調や周囲の温度条件，熱流計を貼る皮膚表面の位置によって測定値に差がみられること，そのため被験者の体調管理と温度条件の設定，熱流計貼付位置の検討などの課題が明らかとなった．26年度の本実験ではこれらの課題の対策を考慮した方法での実験実施を検討している．
なお，当初の予定では25年度中に連携協力者が所属する機関が所有するサーマルマネキンを使ったclo値測定実験も行う予定であったが，25年度後半に研究代表者が所属する機関に新たに人工気候室とサーマルマネキンが導入されることとなったため，予定を変更し，26年度に新たに導入されたサーマルマネキンを使ったclo値測定予備実験を行うこととした．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

連携協力者が所属する機関が所有するサーマルマネキンを使ったclo値測定実験も行う予定であったが，25年度後半に研究代表者が所属する機関に新たに人工気候室とサーマルマネキンが導入されることとなったため，予定を変更し，26年度に新たに導入されたサーマルマネキンを使ったclo値測定予備実験を行うこととしたため．

Strategy for Future Research Activity

平成26 年度に行なう予定である被験者を使う二つの実験（人体からの放熱量を熱流計で測定し，その熱流量より衣服の熱抵抗を測定する実験と，人体からの放熱量を呼気代謝分析装置を使って測定し，その熱流量より衣服の熱抵抗を測定する実験）に先立って，被験者の負担軽減や正確な測定を実施するために，人体を使った二つの測定実験の予備実験を行うことができたことは当初の予定通りであった．
その一方で，当初の予定では25年度中に研究の連携協力者の所属先が所有する設備を借りて行う予定であったサーマルマネキンを使ったclo値測定予備実験が実施できなかった．しかし，その代わりに研究代表者が所属する機関に新たに人工気候室とサーマルマネキンが導入されたため，今後の実験は研究代表者が長距離・長時間をかけて移動することなく取り組むことが可能となったことから，26年度中に予備実験および本実験は十分に実施可能である．

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

購入した機器に外国製製品が含まれることと，さらに為替相場の変動により購入価格が当初の予定より数万円高くなってしまったことから平成25年度に平成26年度分から10万円の前倒し支払いを受けた．しかし，実際に使用したのは前倒し支払いを受けた10万円のうち購入価格の上昇分33020円のみであり，これを除いた66980円は平成26年度に使用する見込みもあることから繰り越すこととしたため．
当初の研究計画どおり26年度に交付される予算は，被験者への謝金や学会などへの成果発表にかかる費用にあてる予定である．平成25年度に前倒しを受けて使用したため平成26年度の金額は当初の金額より33020円減少したが，平成26年度に行なう実験条件を見直し実験回数を減らすことで謝金を削減することなどで減額分を吸収する予定である．