2014 Fiscal Year Research-status Report
沖縄県民の世代間の食意識・食行動に関する一考察 -健康長寿地域の再興に向けて-
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25350097
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
田原 美和 琉球大学, 教育学部, 准教授 (30347124)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 沖縄 / 食意識 / 食行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、1.沖縄の食生活の現状と課題について、昨年度から継続して行ってきた国民健康栄養調査、県民健康・栄養調査(沖縄県)、「家計調査」(総務省)等のデータを時系列に分類・分析しながら学校等で活用できる教材提案のための資料作成を行った。2.研究成果を社会に発信するため、上記1の内容とも関連させて、家庭科教育学会九州地区会において「沖縄の食生活の現状と課題解決に向けて-中学校家庭科における一考察-」をテーマに口頭発表を行った。2014年2~3月に中学生158名を対象に実施した食意識や食行動に関する質問紙調査のデータを分析し(昨年度の研究実績の概要に一部報告)、若い世代の傾向について報告したものである。主な結果として、(1)学校で食について学ぶことは大切だと回答した者は約7割であったが、学んだ栄養の知識や調理実習で習った料理を実生活にいかすと回答した生徒は約3割であった。(2)沖縄の食生活の現状や課題については認識不足もみられたが、若い世代からの食生活への配慮や地域の食文化の伝承に対する意識は約8割と高かった。これらの結果から、沖縄県の食生活の現状、課題について最新のデータを基に資料や教材を作成し、「各自の食生活」、「健康によい食習慣」について考えさせ、「日常食の調理と地域の食文化」(中学校学習指導要領家庭分野)で地域の食材を活用した調理実習に結びつける等の授業提案が期待できる。3.これまで行ってきた資料収集、予備調査等の結果をもとに、国立大学法人琉球大学疫学研究倫理審査委員会へ本調査実施に向けて、研究課題「沖縄県民の世代間の食意識・食行動に関する基礎研究-健康長寿地域の再興に向けて家庭科教育からのアプローチ-」の研究計画を申請し、承認が得られた(2015年3月2日:承認番号279)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究計画は、年度をまたがっての調査等もあるため、年度ごとの達成度の評価はやや難しいものの、研究目的にそった資料収集、学会発表等を行い、沖縄県民三世代を対象とした本調査については、本学の疫学倫理審査の承認も得られているため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度は、当初からの計画通り沖縄県民を対象とした本調査を実施しながら、学校や地域等で活用できる食育関連の資料・教材等の作成に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
沖縄県民の世代間の食意識・食行動に関する本調査は平成26~27年度の2年間にまたがって実施する計画である。H26年度は本調査に向けた質問紙調査表の作成、その後に本学の疫学倫理審査委員会での承認を得た。そのため次年度に使用額が生じた理由としては、H27年度の本調査実施に向けて、調査票の作成費用、アンケート調査回収のための郵送料、データ処理に必要な研究補助のための謝金分を残したことによるものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の本調査に関しては、当初から複数年度での実施を予定しているため、次年度に生じた予算は、H27年度分と合算して調査・研究、資料・教材作成費等に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)