2015 Fiscal Year Annual Research Report
日常的な食品素材を用いた高フラボノイド食摂取と生体内抗酸化指標の関連に関する研究
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25350098
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
市川 陽子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (50269495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下位 香代子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (10162728)
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70195923)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フラボノイド / 食事由来 / 高フラボノイド食 / 体内動態 / 炎症性サイトカイン / 抗炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
フラボノイドは様々な機能性を有し、日常的な摂取による疾病予防効果が期待されているが、ヒトでの食事由来フラボノイドによる機能性評価に関する報告は少ない。本研究の目的は、食材別・調理法別のフラボノイド含有量のデータ蓄積と、高フラボノイド食の継続摂取による疾病リスク低減効果を小規模ヒト介入試験により検証することである。平成27年度は、(1) 血中フラボノイド濃度の測定方法の確立、(2) 高フラボノイド食単回摂取によるフラボノイド類の体内動態の検討、(3) 高フラボノイド食継続摂取における生体内抗炎症効果の検討、(4) 食材別・調理法別のフラボノイド含有量の測定を行った。 血中フラボノイド濃度は、血漿を酵素加水分解処理し、酢酸エチルにて抽出後、LC/MSにてフラボノイドアグリコンを測定した。(3) については、静岡県立大学のBMI25以上の男性(26-50歳)6名を被験者とし、2日間のウォッシュアウト後、7日間は高フラボノイド食またはフラボノイド低減食(対照)を継続的に摂取した。試験はクロスオーバーにて実施した。ウォッシュアウト後および7日間の継続摂取後に採血を行った。 高フラボノイド食摂取前と比較し、摂取後では血中フラボノイド濃度の有意な上昇がみられた。また、血球細胞中のTNF-αなどの炎症性サイトカインの遺伝子発現量をRT-PCRにて測定したところ、BMI30以上の肥満者において、高フラボノイド食摂取後にこれらの遺伝子発現量が低下していた。肥満者の生体内は慢性的に炎症性サイトカインの発現量が高まっていることが報告されている。それゆえ、本試験のBMI30以上の肥満者では高フラボノイド食摂取による抗炎症効果が効きやすい状態であったと推察される。 以上より、フラボノイド含有量を高めた食事を継続的な摂取は、肥満のような慢性的な炎症状態において抗炎症効果を発揮する可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)