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2013 Fiscal Year Research-status Report

紫黒米の調理過程で生成するアントシアニンの熱分解物の生体内抗酸化作用に関する研究

Research Project

Project/Area Number 25350114
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTokushima Bunri University

Principal Investigator

近藤 美樹  徳島文理大学, 人間生活学部, 准教授 (80326412)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordscyanidin 3-O-b-glucoside / protocatechuic acid / antioxidant activity
Research Abstract

C3Gおよびその熱分解産物であるPCAの生体抗酸化性を検討する目的で、鉄キレート剤投与による酸化モデル動物の作製方法を確立後、酸化誘導前に当該成分を経口投与した際の生体酸化に及ぼす影響を検討し、以下の結果を得た。
1.酸化モデルマウスの作製
鉄の投与により腎臓を中心とした急性的な酸化を誘導する疾病モデル動物として、鉄ニトリロ三酢酸投与による酸化ストレスモデル動物の作製条件を検討した。すなわち、ICRマウス、雄性、6週令に鉄ニトリロ三酢酸を体重1kgあたり鉄10mgとなるように腹腔内投与した。1時間後に解剖してヘパリン存在下で全血を回収し、遠心により得られた血漿を酸化の指標として血中過酸化脂質量(TBARS)を定量するとともに、抗酸化性の指標として活性酸素消去能(ORAC)を測定した。その結果、鉄未投与群と比較して、上記の濃度の鉄投与によって、酸化が誘導されていることを確認した。
2.C3GおよびPCA投与酸化モデルマウスの血漿における抗酸化性
C3GおよびPCAを各々ICRマウス、オス、6週令に、2種類の濃度でゾンデにて胃内に投与し、30分後に1の方法に従い酸化誘導し、さらに1時間後に解剖して血漿を得た。得られた血漿のTBARS値を測定し、C3GおよびPCAの抗酸化作用の程度とその効果を発揮する濃度を明らかにした。PCAは、対照として用いた既知の抗酸化物質であるカテキンと同濃度でTBARS値の上昇を抑制したが、C3Gではその効果は認められなかった。
以上の結果から、鉄誘導酸化モデル動物において、C3Gは、本実験で投与した濃度では抗酸化作用を示さないが、その熱分解産物であるPCAは、カテキンと同濃度で抗酸化作用を示すことが明らかになった。このようにPCAがC3Gよりも優位な生体抗酸化作用を示したことは、先行研究の結果を合わせて考えると、in vivoにおける活性酸素消去能の効力と血中への移行濃度の違いによるものと考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画に従い、酸化モデル動物の作成条件を確立し、C3GおよびPCAの酸化に対する影響を明らかにすることができた。実験は予定通りの進行状況であり、さらに結果についても、血漿TBARS値から予想通りの効果が得られた。従って、概ね順調に進展していると判断した。
一方、予定してたPCAおよびC3G投与酸化モデルマウスの血漿における血中PCAおよびC3Gの濃度測定については未実施である。その理由は、別の実験結果から、当該モデル実験系では被験物質の投与から採血までの時間が長く、その間に被験物質が消失することが判明したためである。従って、その根拠となった実験結果を併せて考察することで代替した。

Strategy for Future Research Activity

今後は2年間にわたり、生活習慣病に対するC3GおよびPCAの効果を明らかにする目的で、高コレステロール血症モデル動物にこれら成分を含有する紫黒米を摂取させた際の実験動物の血漿の生化学検査値、ならびに各種臓器の酸化に関与する酵素活性に及ぼす影響を検討する。すなわち、C3Gならびにその熱分解産物であるPCAの給源として、ヒトが摂取する形態を想定し、未処理の紫黒米もしくは調理した飯を餌に混合し、生活習慣病のモデルである高コレルテロール血症モデル動物に対して1~2か月間自由摂取させた際の各試料の高コレルテロール血症の発症に及ぼす影響を検討する。併せて精白米および玄米との効果の比較、並びにそれぞれの炊飯前後の効果の差を明らかにする。さらにPCAの効果を明確にする目的で標準品のPCA添加食も作成する予定である。具体的には、次の手順に従い実験を遂行する。
1)高コレステロール血症モデル動物の作製方法の確立
2)食餌に混合する試料の調製および摂食実験
3)各種生化学検査および抗酸化酵素の酵素活性の測定

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度は、当初の計画通り、本研究の全般にわたり必要になる高速冷却遠心機の購入費用が多くを占めたが、動物実験等で必要な試料をこれまでの保存分で補うことができたこともあり、予定よりも次年度使用額が増えた。
動物実験に係る経費(試料、動物、生化学検査試薬等)として執行予定である。一方、食餌試料や生体試料中のC3GやPCAの分析にHPLCが必須であるが、既存の検出器に不具合が生じており、当該機器も購入から20年の経過年限が過ぎて修理での対応が困難であることから、検出器の購入にも充てる予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014 2013

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] アントシアニンの熱処理過程で生成する分解産物の生体における抗酸化性2014

    • Author(s)
      近藤(比江森) 美樹、中川 咲良、永易 あゆ子
    • Organizer
      日本栄養・食糧学会第68回大会
    • Place of Presentation
      札幌酪農大学(北海道札幌市)
    • Year and Date
      20140529-20140601
  • [Presentation] C3Gならびにその熱分解物であるPCAの生体抗酸化性2014

    • Author(s)
      近藤(比江森) 美樹、永易 あゆ子、中川 咲良
    • Organizer
      2014年度農芸化学会大会
    • Place of Presentation
      早稲田大学(神奈川県川崎市)
    • Year and Date
      20140327-20140330
  • [Presentation] Antioxidant effect of bread using black rice(Oryza Sativa L. Japonica var. SBR)2013

    • Author(s)
      M. Hiemori-Kondo, A. Nagayas
    • Organizer
      20th International Congress of Nutrition
    • Place of Presentation
      Congress Center (Granada, Spain)
    • Year and Date
      20130915-20130920

URL: 

Published: 2015-05-28  

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