2013 Fiscal Year Research-status Report
食生活に課題のある世帯を支援する食育実践プログラムの構築
Project/Area Number |
25350122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
大森 玲子 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (70447259)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 食育 / 食教育 / 世帯 / 食生活 / 食環境 / 高齢者 / フランス / 味覚教育 |
Research Abstract |
本研究は、世帯構成および世帯状況と食生活の課題との関連を調査分析し、食生活に課題を抱える世帯にに対して生涯に渡り望ましい食生活を送れるよう支援するための食育実践プログラムの構築を目的とするものである。全体計画のうち、本年度は、(1)食生活に課題のある世帯に関する各調査、(2)食生活課題への取り組みに関する現地調査、(3)食育実践プログラム構築準備を行った。 (1)食生活に課題のある世帯に関する各調査:既存文献・研究等のレビューを通して、食生活等の実態を世帯単位の現状と課題として整理した。宇都宮市自治会連合会の協力のもと、各世帯に調査票を配布、回収した。無記入等を除いた有効回答数は3,016部であった。単身世帯は1割であり、そのうち8割近くが60代以上であった。また、回答者が65歳以上かつ同居が配偶者のみの高齢世帯は全体の2割であった。外食・中食を利用している割合は全体の35%、配食サービスを利用している割合は2%、食事の買い物について不便や大変さを感じる割合は17%、自分の食生活に不満をもつ割合は11%であった。引き続き、食生活に課題をきたす要因について分析を進めている。 (2)食生活課題への取り組みに関する現地調査:国内外における食育先進地の取り組みを調査し、食への意識変容や行動変容に繋がった食育活動の内容精査、取り組みやプログラムの現状と課題について整理した。現地調査候補地のうち、味覚教育を取り入れて食育の実践成果をあげているフランスにおいて、味覚教育を1975年に創始した専門家(ジャック・ピュイゼ氏ら)や教育関係者から、現状と課題についてヒアリングを実施した。 (3)食育実践プログラム構築準備:食生活に課題のある世帯を支援する上での課題や予測される問題を整理し、次年度の食育実践プログラム構築に向けた準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度計画していた「食生活等実態調査」について数千人規模を対象に実施できたことに加え、フランスにおける味覚教育等の専門家や教育関係者へのヒアリング調査が遂行でき、来年度に繋がる基盤的研究成果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
数千人規模を対象にして得られた食生活等実態調査データの分析を深め、食育実践プログラムの構築に向けた課題を整理する他、今年度実施した調査から、調査実施体制において連携に不十分な点が把握されたため、再調査する際には実施系統を明確にして進めることが重要である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度予定していた「食生活等実態調査」の実施時期が遅れたことにより、データ入力と解析に遅れが生じたため。 データ解析時に使用するソフトを購入し、食生活に課題をきたす要因について分析を進めるとともに、対象世帯の課題解決に向けた食育実践プログラム構築に必要な物品を購入する予定である。
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