2013 Fiscal Year Research-status Report
運動誘発性溶血の予防と治療に寄与する栄養療法の開発
Project/Area Number |
25350129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
小林 ゆき子 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (10381930)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スポーツ性貧血 / 運動誘発性溶血 / ランニング / 高強度運動負荷 / 鉄代謝 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
運動誘発性の血球破壊による溶血や赤血球形成に影響する鉄欠乏症に起因するスポーツ性貧血は、激しいトレーニングを重ねる多くの競技者の間で頻発しているにも関わらず、その治療や予防方法はまだ十分に確立されていない。申請者は先行研究において、高強度運動負荷下での溶血、鉄代謝の変動および破壊血球処理を担う臓器での酸化ストレスの増大を見いだした。 本研究では、鉄代謝変動や酸化損傷の視点を含めたスポーツ性貧血の発症メカニズムを検討し、運動誘発性溶血に対して有効な栄養成分の探索とその予防や治療への応用可能性について検証する。平成25年度は、高強度ランニング運動負荷による運動誘発性溶血モデル動物の最適化を目的とし実験を行った。 【高強度運動負荷試験・急性試験】幼若ラットをトレッドミル装置に慣らした後、30~32m/分(VO2max 80%相当)で30分間運動を負荷し、運動直後および負荷24時間後に解剖した。その結果、運動直後では溶血の指標である血清ハプトグロビン濃度が安静時に比べ有意に低値を示し、24時間後には安静時と同程度に回復した。【高強度運動負荷試験・慢性試験】幼若ラットをトレッドミル装置に慣らした後、30~32m/分で30分間の運動負荷を1日1回2週間連続で実施し、最終負荷の24時間後に解剖した。その結果、安静時に比べ運動負荷ラットでは血清ハプトグロビン濃度が低下傾向を示し、運動負荷翌日であっても溶血が回復しないことが示めされた。また、血中酸素分圧が安静時に比べ有意に高く、赤血球等が安静時よりも酸化ストレスを受けやすい状況下にあると考えられた。 以上より、高強度運動負荷によって運動誘発性溶血モデルラットが作成できることが示された。また、複数回継続的な運動負荷を行うことで、スポーツ性貧血モデルラットが作成できる可能性も示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究実施計画では、高強度ランニング運動負荷による運動誘発性溶血モデル動物の最適化を目的とし実験を行うことを計画し、急性運動負荷試験および慢性運動負荷試験を実施し、動物誘発性溶血モデルラットの作成プロトコルおよび最適化することができた。したがって、当初計画のとおりおおむね順調に進展することができていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおりに、平成25年度では運動誘発性溶血モデル動物を作成することに成功した。本モデルを用いて、平成26年度および平成27年度では運動誘発性溶血の予防や治療に寄与する栄養成分の探索を実施する計画である。平成26年度では当初の計画のとおり、貧血時の鉄代謝の改善に有用であることがしめされたウロン酸結合キシロオリゴ糖摂取による効果について検討する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験の検討項目のうち、鉄代謝に関連するたんぱく質やmRNAの動向について、検討を継続して進めておるところであり、その分が当該助成金である。 現在、継続中である鉄代謝の変動に関連する遺伝子やたんぱく質の検討について、次年度でも引き続き実施する予定で計画している。
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Research Products
(2 results)