2015 Fiscal Year Research-status Report
運動誘発性溶血の予防と治療に寄与する栄養療法の開発
Project/Area Number |
25350129
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
小林 ゆき子 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (10381930)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スポーツ貧血 / 運動誘発性溶血 / 鉄代謝 / セロビオン酸 / ランニング |
Outline of Annual Research Achievements |
運動誘発性の血球破壊による溶血や赤血球形成に影響する鉄欠乏症に起因するスポーツ性貧血は、激しいトレーニングを重ねる競技者の間で頻発しているにも関わらず、その治療や予防方法は未だ十分に確立されていない。研究代表者は先行研究において、高強度運動負荷下での溶血、鉄代謝の変動および破壊赤血球処理を担う臓器での酸化ストレスの増大を見いだした。本研究では、鉄代謝変動や酸化損傷の視点を含めたスポーツ性貧血の発症メカニズムを検討し、運動誘発性溶血に対して有効な栄養成分の探索を中心に、その予防や治療への応用可能性について検証する。 平成25年度では運動誘発性溶血モデル動物の作成に成功し、平成26年度には運動誘発性溶血の予防や治療に寄与する栄養成分の探索として、貧血時の鉄代謝改善への有用性が確認されている「ウロン酸結合キシロオリゴ糖」の運動誘発性溶血に対する効果を検討した。平成27年度においては、26年度と同様に高強度のランニング運動負荷を与えモデル動物を作成し、鉄欠乏性貧血予防効果が認められている「セロビオン酸」の摂食がもたらす生理学的変化を観察する計画とした。しかしながら、平成26年12月から平成27年9月まで育児休業を取得したことから、本年度は運動誘発性モデル動物にセロビオン酸を摂取させてサンプル採取するところまで実施した。 4週齢SD系雄性ラットを用いて1週間に4回ほどトレッドミル装置で順応させたのち、5%カゼイン食を給餌し運動負荷を与えるE群(n=8)、5%セロビオン酸混合5%カゼイン食を給餌し運動負荷を与えるECA群(n=8)、および5%カゼイン食を給餌し運動負荷を与えないS群(n=8)の3群に分けた。E群およびECA群には高強度ランニング運動を継続的に負荷した。その後、最終運動負荷15時間後に解剖しサンプルを摘出した。引き続き、サンプルを用いて詳細に解析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は半期分しか研究期間が得られなかったが、サンプルを得るところまでは進めることができた。したがって、計画のとおり、おおむね順調に研究をすすめることができていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度では、27年度の運動負荷試験で得られた各種サンプル(血漿、肝臓等の組織など)の解析をすすめ、研究を完成させる計画である。具体的には、血漿サンプルから、血漿鉄、トランスフェリン飽和率やハプトグロビン濃度、乳酸値、クレアチニンキナーゼなどを測定し、肝臓等の組織から鉄などミネラルの含有量、鉄代謝に関連するタンパク質やmRNAを測定する。これらの結果から「セロビオン酸」の運動性溶血に対する効果について考察する計画である。
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Causes of Carryover |
平成26年12月から平成27年9月まで産前産後休暇および育児休業を取得したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度では、27年度の運動負荷試験で得られた各種サンプル(血漿、肝臓等の組織など)の解析をすすめ、研究を完成させる計画である。具体的には、血漿サンプルから、血漿鉄、トランスフェリン飽和率やハプトグロビン濃度、乳酸値、クレアチニンキナーゼなどを測定し、肝臓等の組織から鉄などミネラルの含有量、鉄代謝に関連するタンパク質やmRNAを測定する。これらの結果から「セロビオン酸」の運動性溶血に対する効果について考察する計画である。
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