2015 Fiscal Year Annual Research Report
ドコサヘキサエン酸による心臓拍動制御の変化に関する研究
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25350133
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
山主 智子 香川県立保健医療大学, 教養部, 准教授 (40382395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加太 英明 香川県立保健医療大学, 教養部, 教授 (00321266)
平川 栄一郎 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (60238342)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 機能性脂質 / DHA / 心臓拍動 / 洞房結節 / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は以下の3点である:①正常心においてDHAは心臓の機能を変化させる事の検証、②心不全心においてDHAは心臓の機能を回復させる事の検証、③低DHA濃度心における心臓の機能障害の検証。 目的①及び②のため、次の動物群を準備した: C(健常+生理食塩水経口投与)、D(健常+DHAエチルエステル(DHAEt)経口投与)、H(右鬱血性心不全(CHF)+生理食塩水経口投与)、HD(CHF+DHAEt経口投与)。心室筋細胞及び洞房結節に於いて、10種類の細胞内カルシウム制御関連タンパク質 (Ca2+P)、15種類のカリウム(K+)チャネル類、及び6種類のナトリウム(Na+)チャネル類mRNA発現を定量した。 心室細胞のCa2+Pについては、Ca2+-ATPase (SERCA) 2aの発現は、C、D、HD群と比較して、H群で有意に減少していた(P ≦ 0.05)。リアノジン受容体 (RYR) 3の発現は、 C及びD群と比較して、H群で有意に増加していた(P ≦ 0.05)。 Cav1.2の発現は、C及びD群と比較して、H群で有意に減少していた(P ≦ 0.05)。 心室細胞に於けるK+チャネル類及びNa+チャネル類、及び洞房結節のCa2+Pは、H群と同様の異常がHD群でも見られたか、各群の発現量に変化が見られなかった。洞房結節のK+チャネル類及びNa+チャネル類については、現在、定量解析を進めている。これまでの結果から、CHFでは心室筋細胞内Ca2+PmRNA発現が異常となり、 Ca2+Pのリモデリングが引き起こされ、これはDHA摂取により部分的に回復した。この事から、DHAは心不全時の細胞内Ca2+Pリモデリングの改善に寄与する事が推測された。心室筋及び洞房結節のCa2+PmRNA発現の相違は、これらの細胞の形態や機能の相違によるものと考えられた。 CHF誘発3週間の内因性心電図については、解析途中である。また目的③については、充分なサンプル数確保のため、繁殖を継続している。
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Research Products
(4 results)