2013 Fiscal Year Research-status Report
肥満対策行動と「将来の期待効用の現在価値」との関連性の解明を目的とした指標開発
Project/Area Number |
25350134
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
水元 芳 福岡女子大学, 文理学部, 准教授 (20581630)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 健清 福岡女子大学, 文理学部, 教授 (20037435)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 肥満 / ミクロネシア |
Research Abstract |
肥満対策行動と「将来の期待効用の現在価値」の関係を明らかにするための第一段階として、本研究では「将来の期待効用の現在価値」定量的測定指標の開発、および記述疫学的研究を実施する。 初年度(平成25年度)は、既存の社会心理モデル指標、健康行動モデル指標のレビュー、および、予備調査として「個人の社会経済因子」と「環境としての社会」の枠組みから、評価・測定が有効な「社会経済的決定要因」の探索を行った。予備調査の方法として、①詳細なインタビューと②参与観察を当初は予定していたが、より効率的に質的データを収集するため、フォーカスグループディスカッション(FGD)を実施することとした。 平成25年9月1日~16日の期間、研究代表者(水元芳)、研究分担者(吉村健清)、および研究協力者(小林房代)の3名が調査地であるミクロネシア連邦ポンペイ州に出張し、州保健局関係部署のスタッフを含む調査チームを編成し、現地調査許可申請のための研究計画書を完成させた。平成26年1月19日~26日に研究代表者(水元芳)と研究協力者(小林房代)の2名で第2回目の現地出張を実施し、現地調査許可を取得した後、上記FGD実施に係る準備作業計画をポンペイ州保健スタッフと共に作成した。 FGDは平成26年4月に実施となり、都市部と地方部それぞれの成人男女グループ(2地域各2グループ、計4グループ)、保健スタッフ・グループ、学生グループの総計6グループから質的データを得ることができた。平成26年度の研究活動として予定している1)将来の期待効果の現在価値」指標の開発、および、2)開発した指標を用いた質問票調査の実施には予備調査結果の反映が求められるため、平成26年度9月を目処に現在はデータ分析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に予定していた研究活動は、1)予備調査、2)データ収集ツールの開発 の2点であった。「将来の期待効果の現在価値」の指標として反映し得ると考えられる、既存の社会心理、および健康行動モデルの指標とモデルを使用した先行研究のレビューを行い、KAP(知識・態度・行動)モデル、健康生成モデル、健康の社会的決定要因モデルを基盤としたデータ収集ツール(質問票)を作成した。質問票項目をより現地事情に寄り添ったものとするため、フォーカスグループ・ディスカッション(FGD)を予備調査と位置付け、予備調査も含めた本研究全体の研究計画の国内機関での倫理審査承認(福岡女子大学疫学倫理審査委員会による)および現地調査許可申請の承認を、それぞれ平成25年9月、平成26年1月に得た。現地調査許可審査に当初の予定以上の時間を要したため、平成25年度内に実施予定であったFGDが平成26年5月に実施となったが、平成26年度に予定している研究活動の実施スケジュールに支障をきたす懸念のない進捗状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、調査ツールの開発、および、調査ツール(質問票)のプレテスト準備と実施を計画している。プレテストの結果を踏まえ、「将来の期待効果の現在価値」指標を開発していく。指標開発には、小規模プレテストを繰り返し、クロンバックのα係数、I-T相関分析、折半法(Split-half correlations/method)などの手法を用いて指標としての妥当性評価を行う予定である。また、開発した指標を用いた調査ツール(調査票)の再プレテスト対象者の規模をn=400程度まで拡大して実施する予定としている。 質問票は、当初英語で作成した後に現地語に翻訳する計画であったが、より信頼性の高いデータを得るために、自記式ではなく保健スタッフのインタビューによって質問票を記入することとして現地スタッフの許可を得ている。 最終年となる平成27年度は、収集したデータそれぞれに適した手法で分析を行い、結果を考察する。結果と考察に基づき、調査ツールの修正を行う。現地で研究成果報告会を実施すると共に、学術誌への論文投稿および国際学会での発表を予定している。
|