2015 Fiscal Year Annual Research Report
肥満対策行動と「将来の期待効用の現在価値」との関連性の解明を目的とした指標開発
Project/Area Number |
25350134
|
Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
水元 芳 福岡女子大学, 文理学部, 准教授 (20581630)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 健清 福岡女子大学, 文理学部, 研究員 (20037435)
小林 房代 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (20707674)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 肥満 / ミクロネシア / 将来の期待効用の現在価値 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミクロネシアの成人肥満率は肥満大国アメリカを上回り、肥満対策は喫緊の課題である。しかしながら、同国では、従来のエネルギー摂取量と消費量のバランス考慮を軸とした肥満対策の効果があまり見られていない。肥満は心理的要因の影響を受けると報告されており、心理的要因が大きく関与すると考えられる自殺率もミクロネシアでは高く、途上国の中では際立っている。Hamermesh & Soss(1974)の理論モデルによると、自殺は「将来の期待効用の現在価値」が影響しているとされ、すなわち、「将来への希望が持てない」ことが自殺の背景であると考えられている。そこで、「将来の期待効用の現在価値」は肥満予防対策行動へも影響を与えているとの仮説を設定した。ミクロネシアにおいて、肥満対策行動と「将来の期待効用の現在価値」の関係を明らかにすることを最終目的とし、本研究ではその第一段階として「将来の期待効用の現在価値」の定量的測定指標の開発と、妥当性・再現性の検討を目的とした。 定量的測定指標の開発に先立ち、研究対象地域人々の「肥満」に対する知識、意識、価値観などについて定説的な調査を行った。定説的調査では、伝統的価値観、または新しい価値観のいずれかを用いた「現状の許容」が観察され、これら結果を指標作成に反映させて「個人の社会経済的因子」および「環境としての社会」要因に関する項目と「将来の期待効用の現在価値(将来への希望)」の関係性を検討するための定量的調査を行った。 現在はまだ統計解析の途中であるが、「個人の社会経済的因子」は「将来の期待効用の現在価値(将来への希望)」として設定した項目との有意な関与が示唆された。これら指標を「将来の期待効用の現在価値」と見なすことができるか、今後さらに検討を進めていく。
|
Research Products
(2 results)