2013 Fiscal Year Research-status Report
酸化ストレスの生体影響に基づく新規機能性食品の開拓
Project/Area Number |
25350136
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
小城 勝相 放送大学, 教養学部, 教授 (10108988)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市 育代 お茶の水女子大学, その他部局等, 講師 (50403316)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 動脈硬化 / 酸化ストレス / セラミド / ラセミ化 / スフィンゴミエリナーゼ / アポEノックアウトマウス / 老化 / D-アスパラギン酸 |
Research Abstract |
1) 研究目的の1つである、酸化ストレスとの関連が未だ不明であるアルツハイマー病(AD)の原因とされるアミロイドβペプチドのラジカル反応によって起こる変化を明らかにする実験を行った。AD発症においては、アミロイドβペプチド(Aβ)が繊維化して細胞内に沈着することで神経細胞がアポトーシスを起こすとされているが、なぜ不要なペプチドがプロテアーゼで分解されないのかなど多くの問題がある。我々は、酸化ストレス、即ち、脳に存在する濃度のアスコルビン酸と銅イオンによるラジカル反応によってAβのアミノ酸がラセミ化することを証明した。しかもラセミ化するのはアスパラギン酸とアラニンで、丁度、AD患者の脳で見出されたD-アミノ酸の量と対応する量が生成することを明らかにした。D-アミノ酸を含むペプチドはプロテアーゼに抵抗性がある可能性もあり、AD発症に1つのヒントを与えるものと考えられる。本研究は、Biosci. Biotechnol. Biochem., 77, 416-418 (2013)に発表した。 2) これまで我々は、酸化ストレスが重要な役割を果たすとされる生活習慣病の代表である糖尿病合併症の発症に血液中の細胞死を引き起こす脂質であるセラミドが重要な危険因子であることを明らかにしてきた。今回研究目的の1つである、動脈硬化とセラミドの関係を明らかにする実験を行った。動脈硬化モデル動物であるアポEノックアウトマウスの老化において、血液中の分泌型スフィンゴミエリナーゼの活性が上昇し、血液中、大動脈に特有のセラミドが増加することを明らかにした。本研究は、Biol. Pharm. Bull., 36, 1192-1196 (2013)に発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
目的とした実験を行い、結果を出して論文を2報発表した。
|
Strategy for Future Research Activity |
スフィンゴミエリナーゼの性質を調べると共に、その阻害剤を食品の中から見つける。また、ラセミ化したアミノ酸を含むAβの性質を検討する。これ以上具体的な方針は公開できない。
|