2014 Fiscal Year Research-status Report
酸化ストレスの生体影響に基づく新規機能性食品の開拓
Project/Area Number |
25350136
|
Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
小城 勝相 放送大学, 教養学部, 教授 (10108988)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市 育代 お茶の水女子大学, その他部局等, 講師 (50403316)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 脂質代謝 / 酸化ストレス / miRNA / オキシステロール / ミード酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化ストレスが発症に大きな役割を果たす代表例が動脈硬化である。動脈硬化発症においては、酸化ストレスを始め、脂質代謝も重要である。また酸化ストレスといっても従来の脂質過酸化だけでなく、我々が明らかにしたタンパク質のアミノ酸のラセミ化なども今後重視していく必要がある。さらに酸化ストレスで変化する生命現象を明らかにしていくことも重要である。今年の実績は、以下の通りである。 1)マイクロRNA(miRNA)は脂質代謝との関係で大きな注目を集めているが、未だに食品成分との関わりは全く研究されていない。今後酸化ストレス、脂質代謝との関連でmiRNAに注目すべきであり、これについて総説を発表した(肝臓病におけるマイクロRNA-122 (miR-122)の変化とビタミン等による調節. 小城勝相, ビタミン, 89, 125-132 (2015))。 2)必須脂肪酸欠乏時にはミード酸(C20:3n-9)という通常存在しない脂肪酸がオレイン酸(C18:9n-9)から産生される。本論文では、必須脂肪酸欠乏状態にある培養細胞を用いてミード酸の産生遺伝子を同定し、さらにオレイン酸からミード酸の産生経路を明らかにした。本研究はBiochim. Biophys. Acta.-Molecular and Cell Biology of Lipids, 1841, 204-13 (2014)に報告した。 3)コレステロール酸化物であるオキシステロール結合タンパク質の存在がよく知られているが、その機能は不明である。その1種あるORP4欠損マウスでは精子の形態異常とともに、精子の数も減少する。精巣特異的にORP4を欠損したマウスを用いて、ORP4が生殖細胞の減数分裂に必要であることを明らかにした。本研究はGene to cells, 19, 13-27 (2014)に発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで酸化ストレスの研究といえば、脂質過酸化反応の評価だけであったが、最近ではその影響、特にシグナルネットワークや脂質代謝などに及ぶす広範な生化学的な特性を明らかにする基礎研究に重点が移っている。これらの基礎研究によって初めて、動脈硬化を初めとする酸化ストレスに起因する疾患の発症機構、これを予防するための食品成分の満たすべき条件が明らかになると考えられる。この観点から本年度は概ね順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
酸化ストレスが及ぼす生化学的な基礎研究以外に、我々の研究によって酸化ストレスで活性化し、動脈硬化の原因の1つと考えられるスフィンゴミエリナーゼの性質とその阻害剤を食品成分の中から探索する。
|
-
-
-
-
[Journal Article] Oligo-astheno-teratozoospermia in mice lacking ORP4, a sterol-binding protein in the OSBP-related protein family2014
Author(s)
O. Udagawa, C. Ito, N. Ogonuki,; H. Sato, S. Lee, T. Pearlta, I. Ichi, Y. Uchida, T. Nishimura, M. Murakami, A. Ogura, T. Inoue, K. Toshimori, H. Arai
-
Journal Title
Gene to Cells
Volume: 19
Pages: 13-27
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-