2015 Fiscal Year Research-status Report
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25350143
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
澤 智華 昭和大学, 医学部, 助教 (80422541)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞外核酸 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに核酸が持つ「“抗酸化力”で神経保護(認知症)や抗炎症効果(リウマチ疾患)」「“サルベージ合成”に寄与し、新陳代謝に促す」という考えが国内外で発表されているが、詳細な機構は不明のままであった。 今回私は、細胞培養株を用いた実験により食材由来のメチル化DNAに関する実験を行い、「細胞外核酸はマクロファージに対してIL-8・THBS1等の産生を誘導すること、腫瘍細胞、特に乳腺癌細胞に対しては増殖を阻害すること」を明らかにした。 さらにin vitroで抗酸化力、細胞障害性及びマクロファージに対する影響を各ヌクレオチドの比較実験を行なった。その結果、1.核酸が持つ抗酸化力は、フリーラジカル種ごとにヌクレオチド特異性がある。 2.細胞増殖障害性にヌクレオチド特異性はなく、全ヌクレオチドに増殖障害性が認められる。 3.マクロファージに対する刺激(IL-8などの遺伝子発現誘導)はdATPのみ担っている。4.マクロファージに対する刺激にはアデノシン輸送、受容体A2、核酸の抗酸化力と関与しない。ことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
① 当初の研究対象は非メチル化DNAであるが、本研究解析の結果非メチル化DNAの中でもdATP特異的にマクロファージに刺激応答を与えることが判明した。その塩基特異性を追加的に解析する必要があるため進捗状況がやや遅れている。 ② 加えて、教授退官に伴い教育業務が増えたため、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
当課題において「食材由来DNAが上皮細胞とマクロファージにおいてIL-8, THBS1等を産生誘導する」というIn Vitroデータを得た。さらにこれら発現誘導は4種類のヌクレオチドの内、dATPのみ誘導した。つまり食材含有DNAは経口摂取後、ヌクレオチドに加水分解され、細胞外から上皮細胞・マクロファージを刺激するという仮説を立てられた。 これまでの研究は経口摂取を考慮していたが、体内で細胞外核酸に暴露されている細胞は他にどこにあるか?と考えたところ、炎症細胞・腫瘍細胞・好中球の近傍に存在し、それらが破裂・壊死する際に放出される核酸が暴露されるマクロファージであった。今後はこれまでの成果を元に、細胞外核酸が暴露されるマクロファージの免疫作用機序を分子レベルで解析、抗腫瘍活性との関連性について解析したい。
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Causes of Carryover |
これまで体内における核酸の効果は抗酸化能による抗炎症作用と考えられていた。しかし。本研究により細胞外核酸はマクロファージに作用し、酸化ストレスを上げる可能性が示唆されてきた。この酸化ストレスによって腫瘍細胞等の細胞傷害性を与えるなどM1型にシフトする考えに発展することになった。そのため、次年度は酸化反応の解析を中心とした実験計画を立てることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞外核酸(主にdATP)によるマクロファージの作用への解析結果、THBS1のmRNAの発現誘導が確認された。次年度はTHBS1のタンパク質解析及び、酸化ストレス反応を解析する。これらの結果を合わせて、研究発表及び論文作成を行い、未使用額はその経費に充てることにする。
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Research Products
(4 results)