2014 Fiscal Year Research-status Report
非アルコール性脂肪性肝炎進展時のコレステロール摂取と脂肪酸組成・インスリン抵抗性
Project/Area Number |
25350150
|
Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
北森 一哉 金城学院大学, 生活環境学部, 准教授 (80387597)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 民江 中部大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10020794)
宮澤 大介 金城学院大学, 薬学部, 准教授 (70434553)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | NASH / 脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂質の「過剰蓄積」は生活習慣病の原因と考えられてきたが、近年は脂肪酸の「質」の変化の重要性が指摘されている。この研究では、我々が開発した、高脂肪・高コレステロール(HFC)添加食で脂肪蓄積・肝炎・線維化へと進展する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデルSHRSP5/DmcrとWKY(対照)を使用する。餌は、HFC食、コレステロールを添加しない高脂肪(HF)食、普通食をそれぞれ与え、脂肪酸組成や炎症・線維化に関連した測定を行う。最終的には、各系統ラットに蓄積する脂肪酸の質やインスリン抵抗性に及ぼすコレステロール摂取の影響を明らかにし、NASH病態の進展との関連性を明らかにする。これらの結果からNASH進展におけるコレステロール摂取の重要性が明らかにされ、今後のNASH新規診断・治療標的および食事療法確立の知見となることを期待している。 平成26年度は、1)肝臓中の脂肪酸組成を明らかにする。2)肝臓中と血液中の脂肪酸組成の違いを明らかにする。ことを計画し、肝臓中の脂肪酸組成を測定した。コレステロール添加は肝臓への脂質の沈着、炎症、線維化を重症化し、その影響はWKYよりもSHRSP5/Dmcrの方が顕著であることをH25年度に示したが、血清中及び肝臓中の脂肪酸分析の結果、組織学的に障害が顕著であった群で、一価不飽和脂肪酸の有意な高値を認めた。また、その変化は血清中よりも肝臓中で顕著であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の研究の目的は、コレステロール摂取が蓄積する脂肪酸の「質」に及ぼす影響を明らかにする。コレステロール摂取がインスリン抵抗性に及ぼす影響を明らかにする。ことである。 3年計画の2年目である平成26年度は、1)肝臓中の脂肪酸組成を明らかにする。2)肝臓中と血液中の脂肪酸組成の違いを明らかにする。ことを計画した。 肝臓中の脂肪酸測定を行い、平成25年度に測定した血中脂肪酸組成との変化の違いを検討することが可能となった。コレステロールの有無による血中及び肝臓中の脂肪酸組成の違いの詳細な解析は進行中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、25年、26年に測定した結果の詳細な解析を進めるとともに、1)脂肪酸代謝に関する酵素(脂肪酸伸長酵素・不飽和化酵素)の活性を明らかにする。2)コレステロール摂取が蓄積する脂肪酸の質に及ぼす影響を明らかにする。3)コレステロール摂取がインスリン抵抗性に及ぼす影響を明らかにする。予定である。 研究が当初計画通りに進まないことが発生した場合は、申請書に記載した研究全般に関する項目、脂肪酸分析に関する項目、動物の背景に関する項目ごとにそれぞれの専門の研究分担者に助言をいただき、解決策を検討する。
|