2014 Fiscal Year Research-status Report
消費段階におけるカンピロバクターの二次汚染実態とリスク評価
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25350156
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
岸本 満 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (20454449)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Campylobacter / C.jejuni / 二次汚染 / 伝播率 / リスクアセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、冷蔵庫中のC.jejuniの生残実態を明らかにするためモデル実験をデザインし実施した。すなわち、液体培地、ひき肉および鶏ささみ肉にC.jejuni標準株を接種し、低温保管中のC.jejuniの生態を調査した。その結果、C.jejuniは培地中では4℃で7日間生残したが、鶏むねひき肉中では乾燥や酸素の影響で24時間以内に顕著に減少した。一方、鶏ささみ表面に接種したC.jejuniが生残しやすいという現象が観察された。仮説だが、C.jejuniが鶏ささみの筋肉組織内部に侵入し、酸素等ストレス要因の影響(死滅)を免れていると考えられた。また、C.jejuniを培養法と同等に計測できるリアルタイムPCR法を構築するための予備調査として市販C.jejuni検出キットの定量性の限界を評価したところ、102cfu/mLが定量限界であること、そして低菌量のとき、スピンカラム抽出法であっても定量が難しいことが明らかになったので、101cfu/mLレベルまで定量できる手法を構築するため新規プライマーの採用、PCR反応条件の検討に加え増菌培養を組み込んだ手法の開発を試みることとした。 本研究の目的は中毒事件を頻発するCampylobacterのリスク管理に貢献する科学テータを提供することである。Campylobacter食中毒は調理の際の二次汚染、保存温度、調理温度と時間による菌数変化が事故発生に影響を与えるが、消費段階の微生物の汚染率の変化及び変動に関する科学的データは不足している。したがって、Campylobacterの二次汚染や菌数変化の要因を明らかにするうえで、その伝播率や生残、死滅の現象を定量的に計測する必要がある。平成26年度の成果は冷蔵保存中の鶏肉における当該菌の生態を明らかにしたことに加え、リアルタイムPCR法と増菌培養法を組み合わせた定量法開発のための基礎データを得たことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度大学院生の修了、研究室助手の任期切れによるマンパワーの後退といった要因が改善されず、さらに大学運営業務の負担が増えたことから実験、研究のおくれが取り戻せなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
リアルタイムPCR法による定量法の確立は今年度前半を目途としており、確立されればモデル実験系はおおよそ構築されているので、C.jejuniの消長、伝播率のデータは短期間で得られると見込んでいる。特に家庭冷蔵庫における二次汚染モデルを優先し、リスクアセスメントデータとして提供したい。なお、一方で家庭におけるCampylobacterの汚染実態を定性的に調査する計画が延期されているので、気温が高く、細菌リスクも高い夏季に実施する計画をしている。
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Causes of Carryover |
研究計画に遅れが生じており、家庭における汚染実態調査を延期するなど、試薬、消耗品の購入を控えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
リアルタイムPCR試薬、培地、培養関連試薬・器具、その他分子生物学関連試薬を購入。さらに遅れを取り戻すべく研究補助員(アルバイト)の雇用を行う。
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