2015 Fiscal Year Research-status Report
エキストラバージンオリーブ油の食習慣に基づいた複合的栄養機能の解析
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25350164
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
狩野 百合子 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (40203682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河田 照雄 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10177701)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エキストラバージンオリーブ油 / オレウロペイン / UCP1 / カテコラミン / 褐色脂肪組織 / ノルアドレナリン / オレウロペインアグリコン / 高脂肪食 |
Outline of Annual Research Achievements |
A:③SD系4週齢雄ラットを用いて、高脂肪食(油脂源としてパーム油、大豆油あるいはラード30%含む30%脂肪食)をコントロール食として、オレウロペインを0.1%添加してオレウロペイン食とし、ラットに28日間ペアーフィーディングで(摂食量をそろえて)投与した。実験食投与最終日にラットを代謝ケージに移して尿を採集し、尿中カテコラミン排泄量を高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。また、実験食投与後の肩甲骨間褐色脂肪組織(Interscapular Brown Adipose Tissue; IBAT)を取り出し、脱共役タンパク質(Uncoupling protein 1; UCP1)をウエスタンブロット法で測定した。その結果、大豆油高脂肪食摂取ラットにおいて、オレウロペイン投与により、体重、腎周囲脂肪及び精巣周囲脂肪重量において有意差はなかったが低い傾向を示した。尿中カテコラミン分泌量は高くなる傾向を示したがUCP1発現量において有意差は認められなかった。一方、パーム油及びラード高脂肪食摂取ラットにおいて、オレウロペイン投与により、体重、腎周囲及び精巣周囲脂肪重量において有意に低い値を示し、尿中カテコラミン分泌量及びUCP1発現量においても有意に高い値を示した。以上の結果より、大豆油を摂取したラットに対し、飽和脂肪酸を多く含むラードを摂取したラットにおいて、オレウロペイン投与によるカテコラミン分泌量及びUCP1発現量を増加させやすいことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
油脂源の異なる(パーム油、大豆油あるいはラード)高脂肪食(30%脂肪食)摂取するラットにオレウロペインを投与したとき、飽和脂肪酸を多く含むパーム油及びラードを摂取したラットにおいて、オレウロペイン投与によるカテコラミン分泌量及びUCP1発現量を増加させやすいことが明らかとなった。これはオレウロペインの効果の一つの特徴が明らかになったと考えられる。したがって、当初の計画の通り実験が進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
B:②オレウロペインアグリコン[オレウロペイン(配糖体)の糖が取れた小腸で吸収される形]と香辛料成分(カプサイシン及びジアリルジスルフィド)の同時投与によるカテコラミン及びLH(黄体形成ホルモン)分泌への影響(dose response)について調べる。 SD系7週齢雄ラットを用いて、麻酔下でベヒクルを対照に、日常摂取可能なレベル(Oi-Kano et al, J. Nutr. Sci. Vitaminol. 54: 363-370,2008)のオレウロペインアグリコンと香辛料[カプサイシン[(1.25,2.5あるいは5μg)Watanabe et al., Biochem. Biophys. Res. Commun.] 及びジアリルジスルフィ[(0.37、0.73あるいは1.46㎎)Oi et al., J. Nutr. 129:336-342, 199]を同時に大腿静脈から投与し、10分または30分後、腹部大動脈より採決し血漿カテコラミン及びLH分泌量を測定する。
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Causes of Carryover |
研究代表者及び研究分担者ともに、差額が出たが、購入予定の物品の費用としては不足であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究代表者及び研究分担者ともに、昨年度購入予定であったが不足額があったため、次年度分の予算と合わせて、購入を予定している。
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