2013 Fiscal Year Research-status Report
新規に樹立した活性型グレリン産生・分泌細胞株の抗肥満機能性食品開発への応用
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25350169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
仮屋薗 博子 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (20437958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大磯 茂 長崎国際大学, 薬学部, 准教授 (40513106)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | グレリン / 脂肪酸 / AGS-GHRL8 / 抗肥満 |
Research Abstract |
ヒト胃がん細胞AGSにグレリンのcDNAを導入し、研究代表者らが樹立したグレリンの安定発現株(AGS-GHRL8)は、培地に添加したオクタン酸濃度依存的に活性型(オクタノイル化)グレリンを分泌することから、活性型グレリンの産生抑制物質の探索に利用できる。本研究は、AGS-GHRL8細胞を用いて、摂食亢進活性を示す活性型グレリンの産生抑制物質の探索を行い、その候補物質を動物に投与して抗肥満機能性を検証し、肥満に関連した各種疾患の予防を目指した抗肥満機能性食品の開発を最終目標とする。AGS-GHRL8細胞と各種脂肪酸を用いた検討において、短鎖脂肪酸の酢酸および酪酸はオクタノイル化グレリン産生に影響しないが、ヘプタン酸、オレイン酸およびエイコサペンタエン酸は抑制することを確認した。次に、細胞レベルでオクタノイル化グレリン産生を抑制したオレイン酸の動物への短期投与実験を行った。オレイン酸エチルをマウスに2週間経口投与し、摂食量、体重、グレリンの血中濃度および胃のグレリンmRNAの発現を、投与しなかった群と比較した。マウスの摂食量および体重は両群間で差が認められず、胃におけるグレリンmRNAの発現にも差はなかったが、グレリンの血中濃度は、投与しなかった群に比し著しく低かった。現在、オレイン酸エチルを長期投与し、同様の検討を行うとともに、AGS-GHRL8細胞を用い、脂肪酸以外の物質の探索を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞レベルでの抗肥満機能性脂肪酸の探索は、当初計画通り、候補脂肪酸の特定に至り、動物への短期投与実験でも細胞実験の結果を支持する傾向が得られた。活性型グレリン産生抑制の機序解明の実験は計画通りに進まなかったが、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞レベルで活性型グレリン産生を抑制する脂肪酸の探索を継続するとともに、脂肪酸以外の物質の探索も行う。動物への短期投与実験で得られた結果を踏まえ、候補脂肪酸の長期投与による影響を、マウスの摂食量、体重、グレリン血中濃度、胃のグレリンmRNAを指標に検討する。細胞レベルの検討で新たに候補となった物質についても同様に動物で検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
全自動セルカウンターの機種を変更したことにより、当初計画より廉価で購入できたこと、活性型グレリン産生抑制の機序解明のためのペプチド合成の外部委託を行わなかったことにより、平成25年度研究費の残余が生じた。 次年度使用額は当該年度研究費と合わせて、グレリンのELISAキット、RNA抽出や定量PCR用の試薬およびAGS-GHRL8細胞の培地に添加する各種試薬等の消耗品の他、マウスの購入ならびにその飼料の調製等に使用する予定である。
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