2013 Fiscal Year Research-status Report
食物アレルギー対応給食提供におけるリスク要因の抽出と誤食事故防止策の検討
Project/Area Number |
25350170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Beppu University |
Principal Investigator |
高松 伸枝 別府大学, 食物栄養科学部, 准教授 (90331876)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 対応給食 / 栄養士 / 抗原量測定 / 加工食品 / 特定原材料 / リスクマネージメント |
Research Abstract |
保育所調査および加工食品中の抗原量把握を行った. 給食対応は4市平均74%の施設で行っていた.対応内容は,卵が主体の料理は魚・肉・豆腐料理(28%)へ,プリンなどの卵菓子はゼリーに代替されることが多かった(39%).また牛乳は豆乳(24%)へ,小麦粉が主体のパン,麺料理などは飯,米粉製品(13%)に代替されていた.職種別では,保育士は対応食調理に携わることはなく栄養士・調理員が行っていたが,栄養士の展開では代替の種類が多く,卵料理に「豆腐」(p=0.027),乳製品に「小魚」(p=0.007)を利用するなど献立の工夫がみられた.作成上の問題には,「普通食や離乳食に加え対応食作成が負担」「原材料の確認が煩雑」「誤作業の心配」等が挙げられた.抗原量測定は,大分県内のスーパーマーケットに流通する市販食品を用い,原材料に「小麦 」の記載のある9種、複合原材料に「小麦を含む」36種,小麦の注意喚起表示のある9種,及び通信販売等で市販されるアレルギー代替食品9種中の特定原材料(小麦)の測定を行った.測定にはFASTKITエライザ小麦キットを用いた.米菓,冷凍食品に「醤油(小麦を含む)」表示が多く、小麦総タンパク質量は一部を除き数μg/gまたは検出限界以下であった.個別表示の対象原材料を確認した上で摂取できる加工食品を選択することが,食事管理の負担を軽減して患者の誤食を防ぎ,安全な食生活に繋がると思われた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
加工食品中の抗原量測定をさらに充実させる必要がある。抗原測定キットの使用期限が非常に短いために今年度の保育所実験とともにまとめて実施する必要が生じた。実験が終了次第、多変量解析ソフトも購入する。
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Strategy for Future Research Activity |
夏季休暇中までに市販加工食品の抗原量把握を継続するとともに,保育所における現場の抗原量暴露状況について,調査対象を明確にして,実験計画をすすめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
加工食品中の特定原材料測定のための測定キット,加工食品,及び多変量解析キットを購入していない。 保育所での実験体制と加工食品を選定が整い次第,購入する。
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