軽元素安定同位体比を指針とするクルクミン類の由来識別

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25350176
• Research Institution: Japan Chemical Analysis Center
• Principal Investigator: 王 暁水 公益財団法人日本分析センター, その他部局等, 研究員 (10544273)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 篠原 宏文 公益財団法人日本分析センター, その他部局等, 研究員 (10556236) ; 大槻 孝之 公益財団法人日本分析センター, その他部局等, 研究員 (80649814) ; 磯貝 啓介 公益財団法人日本分析センター, その他部局等, 研究員 (30544176)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: クルクミン / 製造由来識別 / 安定同位体比 / サブリメント

Outline of Annual Research Achievements

同様な化学構造を有する異なる製造有来の天然/合成品は、形態学的な外観検査や食品添加物の規格に適用される試験法では天然/合成の測定値に有為差を示さない。本研究では、健康食品ウコンに含まれる有効成分クルクミン類物質を構成する水素・炭素・酸素安定同位体を着目し、天然/合成品に至る元素構成の特徴及び構成要因を検証した。また、安定同位体比結果を考察することにより、判別指標元素の有効性・再現性について確認した。得られた測定結果を用いて、市販のサプリメントに使用したクルクミンの製造由来の識別を試みた。なお、これまでのウコンの安定同位体比分析結果を用いて、ウコン原料の産地（国産、外国産）を識別する可能性を見出され、産地識別用基礎データを蓄積している。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

実験計画通り、ウコンの栽培地「（沖縄県・大宜村）、京都府・福知山市、群馬県・藤岡市」より、ウコン検体を調達し、クルクミンの抽出プロセスを確立した。また、バラニン出発原料でクルクミン合成品を合成した。各元素安定同位体比分析により、クルクミンの天然、合成品の識別方法の有効性について検討した。得られた結果を用いて、市販のサブリメントに使用した出発原料の製造由来の識別可能性について検討した。また、これまでのウコンの安定同位体比分析結果を用いて、ウコン原料の産地（国産、外国産）を識別する可能性が示された。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度には、これまでの検討結果を精査し、指標元素の安定性、再現性及び化学反応に伴う同位体比組成の変化を検討する。多変量解析による製造由来識別方法の構築を試みる。

Causes of Carryover

繰り返した研究費用について、当初外部に依頼する予定のクルクミン合成品は、自ら作製したため、研究費用の使用額が節約した。また、当センターの予算で試料の調達及び検討実験を実施したため、研究費用の使用額が次年度に生じた。これら繰り返し研究費用について、下記の計画で使用する予定です。

Expenditure Plan for Carryover Budget

H28年度の検討の実施伴い、発生する消耗品に使用する。また、研究結果を外部発表するための所要費用に充する。