2016 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of curcumin derived from natural tumuric and organic synthetic by stable isotopic analysis
Project/Area Number |
25350176
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Research Institution | Japan Chemical Analysis Center |
Principal Investigator |
王 暁水 公益財団法人日本分析センター, その他部局等, 研究員(移行) (10544273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 宏文 公益財団法人日本分析センター, その他部局等, 研究員(移行) (10556236)
大槻 孝之 公益財団法人日本分析センター, その他部局等, 研究員(移行) (80649814)
磯貝 啓介 公益財団法人日本分析センター, その他部局等, 研究員(移行) (30544176)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | クルクミン / 製造由来識別 / 安定同位体比 / サブリメント |
Outline of Annual Research Achievements |
ウコンは、天然食品添加物や香辛料として昔より汎用されている食品素材である。その黄色主成分は,三種類のクルクミン類、すなわちクルクミン、デメトキシクルクミン、およびビスデメトキシクルクミンから構成されており、その生理活性評価や動物実験もクルクミンを中心に研究が実施されている。近年、クルクミンの抗酸化作用および抗がん作用が報告され、機能性サブリメントとしても広く活用が図られている。一方、バニリンなど出発原料を用いて、クルクミン類物質の(生)化学合成方法が報告された。化学合成品は、従来の植物からの抽出した天然品と同様な化学構造を有し、サプリメント素材として流通している可能性がある。健康食品のトレーサビリティ(追跡可能)は、その製造由来のリスク管理の強化や、健康食品表示の信頼性を確保するため、異なる製造由来のクルクミン原料を識別する必要がある。また、商品の不正表示や加工途中での不当混入など違法行為を防止する観点から、簡単なおかつ信頼できる製造由来識別技術の開発は極めて重要である。 自然生態系では、天然に存在する生体物質は、物理化学的、生物学的変化の履歴によって定める安定同位体比フィンガープリントを持っている。水素・炭素・窒素・酸素の同位体比は生命活動の営みの中で、物質代謝の反応動態やその時間経過を反映した分子ごと、個体ごとに固有の値となる。 本研究は、クルクミン類物質を構成する水素・炭素・酸素安定同位体を着目し、汎用された化学分析手法では確認できないクルクミンの製造由来識別の可能性について検討した。天然/合成品に至る元素構成の特徴を解明し、それら結果から天然物特有の構成要因を検証することを目的としている。なお、ウコン原料の産地(日本産・外国産)を判別する可能性を見出され、産地識別用基礎データを蓄積している。
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