2015 Fiscal Year Annual Research Report
分子レベルを意識した化学実験用電子教科書作成へのアプローチ
| Project/Area Number |
25350188
|
|---|
| Research Institution | Tokyo Gakugei University |
|---|
Principal Investigator |
生尾 光 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50159589)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
| Keywords | 化学反応 / 分子レベル / 可視化 / CG / 動画 / 化学実験 / 実験書 / 電子教科書 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，化学反応の分子レベルでの理解を促すために可視化教材を取り入れた電子版化学実験書を作成し，大学生に対して試行してその学習効果を検証するものである．電子実験書には分子レベルのイメージを提供するために化学反応が進行する様子を量子化学計算に基づいて可視化したCG動画が収録される．さらに，学生が自ら主体的に実験を行うことができるように実験に必要な情報を提供できるように作成される．例えば，通常の文書による実験方法の記述に加えて操作の具体が分かるように装置の写真やフローチャートなどが拡大可能な形式で記載され，学生が実験にスムーズに入れるように工夫される．学生は主体的に実験に取り組むことで化学実験の技能を修得し，観察を通して反応を実体験することができる．併せてCG動画は目に見えない分子レベルの化学反応のイメージを提供することができる．これらにより，学生は実験を行いながらその反応について分子レベルのイメージを学習することが可能となり，実験と講義を別枠で行う場合に比べて学習効果の向上が期待できる．本研究で作成する電子版化学実験書はiBook形式で作成するのでwebを通して配信が可能となる．
本年度はWalden反転を題材とした大学生向けの実験学習プログラムを作成した。プログラムにはメチルアルール生成，1-ブロモブタン生成，そして2-ブチルアルコール生成の反応経路を示すCG動画やスモールスケールで行う1-ブロモブタン生成の実験が含まれる。このプログラムに用いる電子実験書をiBook形式で作成し大学生に試行した。学生は作成した電子実験書により無理なく実験を行うことができた。また，CG動画はWalden反転のイメージを伝えるのに有効であった。
|
