2014 Fiscal Year Research-status Report
地学野外教育のための山梨県ジオサイト・データベースの作成
Project/Area Number |
25350195
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
石垣 武久 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (80151356)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ジオサイト / 地学教育 / 野外教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度から引き続き、理科教員養成の地学野外教育および現職教員の地学野外研修のための山梨県のジオサイト・データベース作成の野外調査を進めた。山梨県の東部地域を中心に、平成26年4月から27年3月までに計31日の地形・地質調査をおこない、約190ヶ所のジオサイトの記録を蓄積した。 調査方法は昨年度と同様で、まず、山梨県内の地学野外巡検の適地を紹介した『山梨の自然をめぐって』(西宮克彦編著、築地書館、1984年 )や『山梨県地学のガイド』(田中収編著、コロナ社、1987年)などの過去の文献に記載されているジオサイトを再調査し、さらに従来の文献には記載されていない地域の調査をおこなった。 調査した主な内容は、堆積岩類では小仏層群、相模湖層群、西桂層群、富士川層群などで、メランジェやタービダイト、礫岩層など主要な岩相・堆積構造を記録し、火成岩類では山梨県北東部に分布する花崗閃緑岩や安山岩岩脈、富士山の噴出物である猿橋溶岩流、変成岩類としては大菩薩周辺に分布するホルンフェルスや道志地域に露頭が見られる大理石などである。大月市真木や丹波山村押垣外などには断層の好露頭があり、山梨県東部の桂川流域には典型的な河岸段丘地形が見られる。一方で、従来化石が採集できるとされていた大月市の蛇骨沢や上野原市八ッ沢、西桂町の殿入沢では現在では露頭が消失したりして化石がほとんど見られなくなっていることが確認された。 記録したデータを公開する方法として、インターネット上のホームページを試験的に立ち上げた。今までのところは、データ収集が主体でホームページ作成はこれから本格化する予定であるが、現時点で10ヵ所余りのジオサイトを記載してある。記載した内容は、地形図上の位置(緯度・経度・標高)、アクセス、観察できる地学事項(地形、岩石、鉱物、化石、地質構造、堆積構造など )、露頭写真、参考文献である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の計画どおりに野外調査に時間をかけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
野外調査としては、今までに調査が行き届いていなかった富士山周辺地域と山梨県北部地域を重点的におこない、さらに他の地域の再調査も時間の許す限り補足してゆく予定である。 本年度は研究計画の最終年度にあたり、今までの研究をまとめてデータベースとして公開する資料を完成させる。データベースの基本的な設計はできているので、これまでに蓄積したデータと本年度に追加するデータを整形してまとめてゆきたい。
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Causes of Carryover |
消耗品が予定より少額で済んだため若干の残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に山梨県内での日帰りを中心とした約30日分の調査旅費を使用する。 他に、野外調査によって蓄積したジオサイト・データをデータベースとしてまとめる際のデータバックアップのための消耗品等に使用する。
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Research Products
(1 results)