2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25350207
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤原 智子 九州大学, 基幹教育院, 助教 (50467875)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 天文学 / 宇宙工学 / 天文教育 / 理科教育 / 文理融合 / 高等教育 / 大学教育 |
Research Abstract |
1.九州大学での教育活動について、宇宙教育の実践研究(愛称:ペガススプロジェクト)として、九州大学の全学教育で4科目5コマ、専門教育(理学部・工学部)で3科目、海外研修1件を行った。全学教育で開講した総合科目「遥かなる宇宙への誘い」では「宇宙」をキーワードとし、様々な分野に跨る文理融合型の授業を展開した結果、学生の興味関心が広がり、学ぶ意欲が向上したという教育効果を確認した。同じく全学教育で開講した星空案内人資格認定講座では、4名のRA(Research Assistant)のサポートの下、23名の学生が準案内人の資格に合格した。受講生自らが企画・実施する一般向け天体観望会「九大☆星まつり」では、天文学の基礎知識や観測機器の取り扱い技術の向上が見られただけではなく、コミュニケーション力やプレゼンテーション能力の向上が見られた。この様子は、3月に開催された第7回星空案内人資格認定講座シンポジウムで、受講学生とRAそれぞれが報告を行った。全学教育と専門教育との連結科目という位置づけの高年次教養科目「望遠鏡でみる宇宙環境」を2期(前後期)に亘って開講し、3年生以上の学生を対象に、40cmカタディオプトリック式望遠鏡とCCDカメラを使用した本格的な天体観測実習を行った。このうち理学班で変動天体を観測したグループは、2013年連星系・変光星・低温度星研究会で研究成果の発表を行った。 2. 学内外での天体観望会及び出前授業について、星空案内人資格取得者と協同し、学内で5件の天体観望会(学内者・一般向け)と学外で2件の出前授業・観望会(小学生対象)を行った。同時に学生から観望会等のイベント企画(愛称:ペルセウスチャレンジ)を募集し、採択企画のサポート及び教育効果の調査を行った。 3. 宇宙教育用設備・備品の整備について、40cm望遠鏡の本格的な教育利用に向け、周辺機器(画像処理ソフトやCCDカメラ等)の拡充を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ペガススプロジェクトの活動は九州大学教員4名が連携して2012年度より行ってきたが、これまでは観測機器の整備に時間を取られ、教育システムの開発が十分できていなかった。本研究では教育システムの整備を行うべく、開講科目の授業内容の充実と、教育効果の調査と分析に特に力を入れ、また星空案内人(準案内人)資格取得者の活動サポートとして、学内外で行う天体観望会の実施や、公募型企画であるペルセウスチャレンジの創設、RA制度の導入などを行い、全て順調に進めることができた。これとは別に学生のサポートとして、一部の授業(実習系)の受講生による研究会やシンポジウムでの研究発表や、他研究機関が主催する公募型企画の参加をサポートした。 教育環境の整備面では、特に2012年3月に九州大学伊都キャンパス・ウエストゾーンに建設された40cm天体望遠鏡の周辺機器の整備が遅れていたが、高年次教養科目での天体観測実習を中心に、学生の興味関心に応じた観測計画や観測装置の整備ができつつある。一方教材や広報活動に使用する予定だった天体画像の取得が天候不良や装置不良でやや遅れ気味である。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.九州大学での教育活動について、授業科目についてはこれまで通り開講しつつ、その教育効果の詳細な分析を行い、学会等での研究発表や学術論文として公表していく。学生へのサポートについてもこれまで同様行っていき、更に充実したサポートを行うための方法も模索していく。 2. 学内外での天体観望会及び出前授業について、星空案内人資格取得者と協同し、学内外のイベントをこれまで通り行うと同時に、新設したペルセウスチャレンジを広く周知し、参加学生の反応(教育効果)を調査していく。 3. 宇宙教育用設備・備品の整備について、天体観測機器は整備されつつあるが、やや遅れ気味である教材・広報活動用の天体写真の取得を急ぎ、教材コンテンツの開発を行っていく。コンテンツは他の科学教育実践者に利用してもらうことを目的に、順次公開していく。
|
Research Products
(7 results)