2015 Fiscal Year Annual Research Report
材料力学教育を通じた教材と教示方法に関する国際比較研究
Project/Area Number |
25350216
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
伊澤 悟 小山工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (00232223)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 材料力学 / カリキュラム / シラバス / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
工学教育の分野における国際比較研究としてコアカリキュラムである材料力学教育カリキュラムについて調査した。ここでは、日本、アメリカ、ドイツの機械系学科における材料力学のカリキュラムの比較を通じて、工業高等専門学校と大学における日本型工学教育の特徴について研究を行った。日本では、多くの高専で4単位を必修単位化、大学では、開設単位が同じ4単位でも2単位を必修、残り2単位を選択科目化している大学が多い。また、アメリカの大学の開設単位数の平均値は日本の大学とほぼ同様、ドイツは単位の換算および講義の開設が日米とは異なるが、必修単位として工業力学と組み合わせた単位として構成されることが多い。日本の教育機関では、週に1回の講義を開設しているのに対し、アメリカとドイツにおいては、1週間の間に講義日が2回以上あることが通常である。講義の形態は、日本では寺子屋型に黒板を使った講義が多く、アメリカやドイツにおいては、講義中にディスカッションを多く取り入れるとともに、演習の時間も確保している。また、各国で自学自習の時間やHomeworkの時間が確保されており、特にアメリカでは課題学習に対する成績評価の割合が約30%を占め、他国に対して大きな値を示す。教科書については,章立ての細かさに違いがあるものの、国間格差や教科書の全体を構成している内容に大きな違いはない。アメリカでは、演習問題が多く、教科書の例題に自動車などの題材を取り上げて、具体的な数字を出す計算問題が多い。これに対して、ドイツと日本の教科書は教科書のボリュームが薄くても概念等の基礎についてはおおよそ網羅しているのに対して、演習問題の問題数はそれほど多くない。結果として、日本、アメリカ、ドイツにおける材料力学の学習項目の内容には大きな違いはないが、教育方法や教科書については、各国それぞれに特徴がみられた。
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