2013 Fiscal Year Research-status Report
プロジェクト型演習のためのソフトウエア無線環境の利用と教育素材の開発
Project/Area Number |
25350218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
山田 洋士 石川工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10230492)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プロジェクト型演習 / 異分野 / ソフトウエア無線 / 信号処理 / 教材開発 / GNU Radio / オープンソース |
Research Abstract |
ソースコードが公開されているソフトウエア無線環境を利用したプロジェクト型科目を実施することにより、学ぶ意欲を向上させ、基礎的技術に関する理解度の向上が期待できる枠組みを開発することを目的としている。各種のサンプルプログラムなどの教育素材を提供し、受講者のレベルに応じた導入講義と組み合わせることで、プロジェクト科目でありながらも、受講者が基礎的概念の理解度を高めることを可能とすることを目指した。 本年度は、ASKやPSK信号の生成ならびに復調を行うサンプルプログラムを提供するとともに、受講者に対し直交変調、復調、サブサンプリングなどに関する入門講義を実施した上で、プロジェクト型科目として実施した。課題内容は、無線電力伝送を想定した変復調装置の実現である。実現にあたり、電力伝送を行う無線信号を変調することで制御用の信号を重畳させること、その際に変調信号の振幅をできる限り変化させず電力伝送効率を低下させないこと、ISM (ISM:Industry-Science-Medical) バンドの周波数を用い、電波法が規定する占有帯域幅などの条件を満足することなどを要件とした。また、プリント基板を用いたアンテナや、各種の測定用治具をプリント基板加工機で試作し、それぞれの定量的評価を行うことも課題とした。 この演習は、機械工学科・電気工学科・電子情報情報工学科出身の学生がチームを組んで、役割分担を行って実施した。ソフトウエア環境とハードウエアを組み合わせて実信号処理を行うことから、信号処理に加えて、伝送線路・整合・アンテナなどの知識や、チップ部品・プリント基板などの実装加工技術、高周波測定、測定用治具の工夫など幅広い分野が、解決すべき課題となる。本研究課題で扱う教育手法は、幅広い分野の技術者を育成可能な広さと深さを有するプロジェクト型演習を可能とする特徴を有していることを実践的に確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書において予定した平成25年度の計画のうち、教育素材の開発や導入講義のための説明資料の準備・作成は、ほぼ計画通り実現できた。また、基板加工機の使用準備や、測定機材の準備等も、多少の遅れはあったが計画通り推移した。 それらの準備しながら、機械工学科・電気工学科・電子情報情報工学科出身の学生を対象として、実施チームを組んでプロジェクト型演習を実施した。週当たり360分間で15週(4単位)の正課の演習としての実施であった。
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Strategy for Future Research Activity |
プロジェクト型演習では、参加学生が自由な発想で新しい「物」、動作する「システム」を実現することが重要であり、幅広い課題設定を可能とする教育資源の準備が必要である。そのために必要な部材や測定機器、サンプルプログラムなどの教育素材の開発・充実が今後必要である。 また、高専機構が制定するモデルコアカリキュラムへの提言も検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究課題実施に必要な物品を購入したところ、残額として384円が生じた。少ない金額であり、この金額で購入可能な使用予定物品がなかったため、予算の有効利用を図るために次年度使用額が生じることとなった。 研究課題遂行に必要な消耗品費等にあてる予定である。
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