2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25350219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
西井 靖博 新居浜工業高等専門学校, 生物応用化学科, 准教授 (90321504)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 出前授業 / 地域連携教育 / 体験型 / 学生主体 |
Research Abstract |
1 学生による出前授業の新規作成:生物応用化学科4年生の創造化学実験にて「小中学校の出前授業を企画」というテーマにて3~4名の9チームでそれぞれ別々の出前授業を作成した。10週間の製作活動後、模擬出前授業として学内発表会を行い、教員の評価が良かった上位2件を選び、市内の小学校及び中学校へ実際に出前授業をおこなった。受講者向けアンケートの「内容はよくわかったか」で約100%が「わかった」と回答しており、一定レベル以上の出前授業となっていることが確認できた。また活動を通した学生の自己評価として、主体性や責任感が増し、社会貢献の重要性を認識したという結果が得られた。テーマを作成することを通じた問題解決能力(エンジニアリングデザイン能力のひとつとして)だけでなく、社会人基礎力の涵養にも効果があった。その他従来の出前授業テーマも合わせて小学校、中学校及び出前イベント、公民館、市文化施設を含めて、学生主体型出前授業を17回行った。 2 新居浜高専教育フォーラムの実施:新居浜地区の小学校、中学校、高校、高専での環境・エネルギー教育についての事例発表を行いそれぞれの取り組みを知るとともに、教育機関の枠を越えた地域連携教育のあり方について意見交換する機会を設けた。それぞれの学校の教員の立場からの意見を得ることができ、今後の出前授業の製作のためのヒントを得ることができた。高専の発表では、学生が実際に出前授業を行ったときの報告を行い、さらに参加者に簡易出前授業を行い取り組んできた内容と工夫した点などを説明した。 3 科学イベントの視察:長野高専の「キッズサイエンス2013」を視察し学科の専門にこだわらずさまざまな科学テーマに挑戦していることが参考となった。鹿児島高専の「鹿児島高専の日及び第23回九州沖縄地区高専フォーラム」を視察し九州、沖縄地区の高専横断型の地域教育連携の手法を知ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小中学校の理科離れ対策として、学生主体による出前授業を17件行うことができ、科学へ興味を持ってもらう一助となったと評価できる。また授業科目の4年生で行う創造化学実験にて全員がそれぞれのチーム内で「出前授業を企画、製作」することで、学生にエンジニアリングデザイン能力、社会人基礎力を培う機会を与え、自己評価では一定のレベルに達していることを確認できた。 しかし研究実施計画にある、貸し出しセットの製作は行えなかったこと、出前授業の全国的な取り組み調査は行えず、少し遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は遅れていると判断した貸し出しセットの製作を行う。新規テーマの製作に並行して、貸し出す際の事前説明方法や貸し出しマニュアルの作成などを検討する。また国内外の出前授業に似た取り組みがないか調査し、その手法、成果などを調査する。その上で県外での出前授業実施に向けた準備を行う。具体的には愛媛県もしくは新居浜市特有のテーマ設定をある種の「売り」として持つことが重要と思われる。例えば、えひめAI-1、AI-2は環境浄化微生物としてアコヤ貝のへい死が続く宇和海の浄化や、工場排水、 生活排水の発生源対策として地元では有名であるが、えひめAI-1、AI-2を軸として環境教育の出前授業を製作して、広く知ってもらう機会となれば、もっと広い意味での地域共同教育となりえると思う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ほぼ計画通りに物品購入、旅費などの支出を行ったが、物品が想定より安価に購入できたため約4千円の残金が生じた 出前授業の教材開発のための物品購入の費用として活用する
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Research Products
(2 results)