2014 Fiscal Year Research-status Report
ミクロの目で身近な植物の生命現象を探る-観察体験を深化させる顕微鏡画像集の作成
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25350236
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
金子 康子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30194921)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電子顕微鏡画像 / 細胞微細構造 / 植物環境応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
実際に体感できる身の回りの植物の様々な生命現象を、肉眼、実体顕微鏡、光学顕微鏡、蛍光顕微鏡、電子顕微鏡などを活用して順次拡大した画像集を作成することを目的としている。特に新しい電子顕微鏡技術を駆使して分かりやすく魅力的な細胞内の微細な構造のイメージを紹介することにより、驚きと感動を感じさせる美しい生物の画像集を作成することを目指している。これにより、児童・生徒が自らミクロの世界に分け入って探検するような感覚を体験し、複雑で精巧な生命現象への理解を深め、科学への関心を喚起することが期待できる。また、学校授業において行われる様々な植物の観察体験をより興味深いものとするための補助教材として活用することも可能となる。今年度は特に次のテーマに関する顕微鏡画像を取得することを試みた。①花のつくりと受粉の様子:花弁の色が細胞内のどのような構造の色を反映しているのか;花弁の細胞の形状と表面構造;受粉時の花粉の形状変化と花粉管の伸長、などの画像を取得し、ワークショップなどで紹介した。②植物の運動の仕組み:植物の運動の中では最速といわれている水生食虫植物ムジナモの捕虫葉が獲物を捕らえる捕獲運動の仕組みを紹介する様々な画像を取得し、埼玉県内の中学校やワークショップなどで紹介した。③植物が重力に応答する仕組み:特にキュウリ等のウリ科植物が重力に応答して硬い種皮を脱ぐためのペグ形成を制御する過程の画像を取得した。④葉緑体の起源シアノバクテリアの環境応答:シアノバクテリアはさまざまな環境変化に対応して生き延びることができる。その仕組みの一端を紹介する画像を取得し、学会などで紹介した。⑤ゼニゴケの陸上生活:ゼニゴケは水中から上陸した植物の特徴を維持していると考えられる。ゼニゴケが無性芽から発達する過程を葉緑体の変化と共に画像化した。これら新たに取得した画像をもとに魅力的な画像集を構築していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい電子顕微鏡技術を駆使した植物微細構造の取得は大変順調であった。また、同時に光学顕微鏡や実体顕微鏡画像、肉眼レベルの画像も取得した。取得した画像の一部は出前授業やワークショップなどの機会を捉えて広く紹介し、どのような紹介の仕方がより魅力的で理解しやすいかという情報を蓄積することができた。ホームページの構成や表示の仕方の試行錯誤も行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
取得した画像を活かしたホームページの完成を目指す。また印刷媒体の画像集の作成も試みる。出前授業など様々な機会を捉えて画像集を紹介し、児童生徒の反応をもとにより魅力的な画像集の構築を目指したい。
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Causes of Carryover |
端数の残額が出たため処理しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費の一部として使用する。
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