2013 Fiscal Year Research-status Report
異なる時代や地域の資料とシミュレーションを複合させた国際河川環境教育
Project/Area Number |
25350238
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
真山 茂樹 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40199914)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 和弘 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (60242161)
大森 宏 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (10282691)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 河川環境教育 / ウェブ教材 / シミュレーション / 河川生物 / 珪藻 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
①強く汚染された河川の写真データベース構築:フィリピンおよびタイの強腐水域の写真を収集した。これらの河川の写真は、海外研究協力者が撮影したものと、研究代表者が撮影が撮影したものより構成されている。また、国内の過去の強腐水域の写真を収集し整理を開始した。 ②“SimRiver Exploration”のシステムへの組み込み:4つのレベルの水質階級を代表する指標生物を日米間で比較し、属レベルで共通の水生無脊椎生物の抽出をおこない、それらが生育する河川中のマクロ環境を精査した。水生生物のCGおよび水中環境の3DCGを作成し、ゲームプレイヤーエンジンを使用したプログラムを試作した。特にゲームの動きについて検討し、清水域の河川生物環境探索ゲームを完成した。 ③“SimRiver”の富栄養化対応版の作成準備:海外共同研究者によるカナダ、韓国、タイ、ポルトガルの河川の水質と出現珪藻のデータを序列化解析し、本教育プログラムに適したデータセットの決定を行った。その結果、当面は韓国の河川を標的としたプログラムの開発が妥当であるとの結論に至った。 ④ウェブ教材の追加言語として、ギリシャ語、ウクライナ語、アラビア語ナレーションによるビデオを作成し、映像と共にオーサリングを行った。また、これらの言語のウェブページの作成を行った。また、これらの言語による“ケイソウプロジェクト”ウェブ教材システム全体のモジュールを新たに作成した。また、現行の高校生物の教科書における藻類の分類方法に合致させるため、従来使用してきた日本語ビデオナレーションで用いていた「植物」の語を「光合成生物」に修正し、新たなオーサリングを行った。 ⑤教授法の検討開始:国際間で効果的な授業が展開できるよう、研究協力者の学校教員を含め、授業案の検討を開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度研究実施計画に示した5つの内容のうち、南アフリカからの研究者招聘による教材作成が、研究者の健康上の理由により来日延期となった。このため、アフリカーンス語による教材作成、同言語によるビデオナレーション作成、および南アフリカの汚濁河川の写真データベースの作成を行えなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
①現在“SimRiver Exploration”は清水域のみの試作となっているが、これを、弱汚濁水域、中汚濁水域、強汚濁水域のプログラムを作成する。そのプログラムを現行の“SimRiver”プログラムにリンクさせることで、全ての汚濁レベルの河川水域でのマクロ生態環境の探索ができるようにする。 ②“SimRiver”プログラムを改良し、複数の河川環境状況が容易に比較できるワークシートを作成する。 ③海外研究協力者と連携し、インドにおける強腐水河川のビデオ撮影を行い、教材に組み込む。また、昨年度、健康上の理由で来日できなかった南アフリカの研究者を招聘し、アフリカーンス語による教材の開発を行う。 ④“SimRiver”の富栄養化対応版の作成:水質予測モデルと出現珪藻種モデルを作成し、表示様珪藻写真とリンクさせた実行用プログラムを作成、“ケイソウプロジェクト”ウェブ教材システムにリンクする。 ⑤教授法の作成と調査用質問の決定を、中等教育学校、高等学校および教員研修用に開発し、教育実践を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定では、25年度に海外研究協力者のいるインドへ渡航し共同研究を行う予定であったが、共同研究者が25年度の大半をインド国外に滞在することになったため、インド渡航を取りやめた。このため26年度に招聘を予定していた南アフリカの研究者を25年度に招聘することにした。2月中旬に来日することで予定が進んでいたが、健康上の理由により急遽2月に入院手術を行うことになってしまったため、25年度内での来日が不可能となった。このため、海外旅費が全く使われなかった。 26年度9月にインドを訪問することで、海外研究協力者と話を進めている。また南アフリカの研究者は11月に招聘来日することが決定した。これにより、26年度末には使用額は当初の予定に戻ることになる。
|
Research Products
(4 results)