2015 Fiscal Year Research-status Report
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25350245
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水町 衣里 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 研究員 (30534424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋谷 直矩 山口大学, 総合科学部, 助教 (10589998)
加納 圭 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (30555636)
川上 雅弘 大阪教育大学, 科学教育センター, 准教授 (30569231)
森 幹彦 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (70362423)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 科学コミュニケーション / 教育プログラム開発 / 幹細胞教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、A)幹細胞や再生医療に関する科学的知識の獲得だけでなく、再生医療にまつわる倫理的・法的・社会的課題(ELSI)にも主体的に関与する能力を育成することができる教材開発、そして、B)高校教員のニーズやフィードバックによる教材改善、及びフィードバックサイクル構築、を目指している。 開発してきた教育プログラムは、これまで関西周辺で実施にとどまっていたが、当該年度は、茨城大学の研究者らと共同で、初めて他地域での実践を行った。高校生向けと教員向けの2回を実施し、幹細胞の基礎知識やELSI 的な側面がどの程度伝わったのかを検証し、教材に補填すべき内容を見出すための質問紙調査を前年度に引き続き実施した。参加した教員からは、「(今後、授業の中で活かすなら)iPS細胞に関する倫理問題について考えさせたいと思います」というコメントも得られた。加えて、小学生とその保護者を対象とした短縮バージョンの教育プログラムも開発し、「研究者の働き方」に焦点をあてた試行プログラムを実施した。 また、昨年度までに取得していた質問紙調査のデータを分析した。本プログラムに参加した高校生の多くは、幹細胞の知識を得るだけでなく、他の参加者とのディスカッションを通して新しい視点を得ることの楽しさを体験していた。しかし、幹細胞研究のELSI 的な側面に気づかせるところに課題があることも分かった。これらの結果は、学びのデザイン研究会「高校での再生医療教育の展開を見据えて」において発表し、研究会参加者との情報交換を行った。 中学校及び高校の理科の教員を対象とした意識調査では、科学に関する倫理的問題を授業で扱う際には、事例や様々な人の価値観・意見を知る機会を設けることが多いことが分かった。これらの教員のニーズも考慮しながら、今後のプログラム改善を進める。評価項目の策定、教員からのフィードバック収集などを進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教材開発、教育プログラムの試行に関しては、当初の計画通り進展している。評価項目の策定、教員からのフィードバック収集などは準備作業を終えたところである。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した教材を用いた教育プログラムの実践で得られたアンケートのデータを分析し、その結果を評価シートの作成に活かす。加えて、教員からのフィードバック収集などを進める予定である。
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Causes of Carryover |
評価項目の策定、教員からのフィードバック収集などの準備作業に関して不十分なところがある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、上記作業の進展をはかるための費用に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)