2013 Fiscal Year Research-status Report
中等理科教員養成における科学技術リテラシーの指導についての教授理論と方法
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25350249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
石川 聡子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30314438)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 科学技術と人間 / socio-scoentific issues / 指導方法 / 教員養成 |
Research Abstract |
中学校理科における内容「科学技術と人間」の実践や指導方法についての先行研究を収集、分析をおこない、おもな特徴について考察をおこなった。そこから明らかになったことは、「科学技術と人間」についての先行研究自体が少なく、また学習指導要領が求めている科学的な根拠に基づいた意思決定をおこなわせることについての研究が必ずしも十分ではないということである。「科学的な根拠」とはどのようなものかという理解や、科学的な根拠に基づいて「意思決定」をおこなう科学的思考を生徒にどのように指導するかの具体やその評価方法についての知見や議論が十分蓄積されているとは言い難い状態であった。学習指導要領において「科学的な根拠」やそれに基づいた「意思決定」についての解説が不十分であり、指導にあたる教師がこれらについての理解が十分でないことが想像されるが、その状況を改善するための支援方法が必要であることが改めて浮き彫りになった。その一方で、意思決定の方法や生徒の意思決定の内容を分析した研究も散見され、それらを分析することで、「科学技術と人間」の指導の実態を見通すことができた。 また、ヨーロッパの科学教育研究を中心にして、内容「科学技術と人間」に関連の深いSSI(socio-scientific issues)の指導や評価方法に関する先行研究の調査をおこなった。いわゆる物化生地といった伝統的でオーソドックスな理科の内容の指導方法についての先行研究のボリュームと比較すると必ずしも多くはないものの一定の研究の蓄積がなされており、アメリカ合衆国を中心としてフランス、カナダ、イギリス、スウェーデン、ドイツ、台湾、チュニジア、イスラエル、ポルトガルなどの諸国における研究論文を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いわゆる教科専門の位置づけとして科学技術社会論などをベースにして、科学的な根拠あるいはそれに基づいた意思決定がどのように論じられているか先行研究を収集し分析をおこなっている。「科学技術と人間」における意思決定の指導方法について先行研究を収集し分析をおこなっている。SSIにおける意思決定についての先行研究を収集し分析をおこなっている。また、ドイツの理科教育における科学技術と生活および社会との関連についての指導の実践事例や指導方法について聞き取り調査をおこなうとともに、ドイツの教科書や指導書を入手した。
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Strategy for Future Research Activity |
欧米の大学の教員養成課程における科学技術リテラシーの指導方法を調査するとともに、日本の教員養成のシラバスから科学技術リテラシーの指導方法と比較する。引き続きSSIについての先行研究から、科学的な根拠に基づいた意思決定の指導方法の分析をおこなう。また、博物館などの学校外の教育資源を活用した学習プログラムや指導方法についても調べを進める。
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Research Products
(1 results)