2015 Fiscal Year Annual Research Report
中等理科教員養成における科学技術リテラシーの指導についての教授理論と方法
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25350249
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
石川 聡子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30314438)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 科学技術と人間 / socio-scientific issues / 科学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.単元「科学技術と人間」の指導の現状分析 中学校理科の単元「科学技術と人間」の指導の実態について、2014年11月から12月に全国政令指定都市13市の市立全中学校に勤務する理科教諭を対象に調査票をおこなった(回収725部、回収率19.6%)。その結果、指導や学習指導案の作成経験の不十分さが見られ、多くの教員が当該単元内容の難しさ、とくに科学技術の社会的経済的倫理的側面の扱い、科学技術の進歩についての情報更新の難しさなどを指摘した。当該単元の特徴である「科学的な根拠に基づいた意思決定」についての指導や評価がほとんどなされていないことが明らかになった。 2.SSI(Socio-scientific Issues)の研究動向 かつて欧米やアジア諸国で取り組まれたSTS教育を新たにしたSSIは科学技術の社会的側面などについての議論や判断などを指導する科学教育の実践と研究である。アメリカ合衆国ではSSIの指導と評価についてのガイドブックや教員研修がおこなわれており、その研修に参加し、生徒のポートフォリオの作成およびルーブリックによる評価基準の作成について情報収集をおこなった。また、ヨーロッパ科学教育学会でもSSIの研究動向を情報収集し、それらを取り入れて「科学技術と人間」の指導方法の改善に資するために、図書に執筆をおこなっており近日中に印刷予定である。また、生徒に身近な科学技術の例としてリサイクルなどを取り上げ、科学技術の経済性について科学的な根拠に基づいた意思決定を指導し、それを評価する事例など指導方法について提示する。
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