2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25350250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
森本 弘一 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (70243350)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | カイコ / 消化液酵素 / 半定量的酵素検出法 / 人工飼料育 / 飼育密度 / DNA抽出 |
Research Abstract |
当該研究は3つの教材開発課題から構成されている。 1.教材開発1(分子レベルからのアプローチ):①カイコ消化液に存在するアミラーゼとプロテアーゼ活性を半定量的に検出できる方法を開発した。基質(可溶性デンプンまたはカゼイン)を含む1%寒天ゲルプレートを作成し、粗酵素液(20 μL)を吸収した濾紙円盤(6 mm)をゲル上に置いて酵素反応をさせ、可視的に活性を検出した。消化液アミラーゼやプロテアーゼのみならず、微生物、発芽種子、胃腸薬、ヒト唾液に含まれるアミラーゼ、微生物、衣料用洗剤、パイナップル・キウイフルーツ果肉、キノコに含まれるプロテアーゼも検出でき、教育現場で容易に実施できる半定量的酵素検出法を確立した。②5齢カイコ幼虫の後部絹糸線からDNAを抽出する方法を確立した。塩濃度処理による分画精製法であり、危険な試薬類や特別な機器類を使用することなく、容易に抽出できることを確認した。 2.教材開発2(個体レベルからのアプローチ):カイコを周年飼育するために、全齢無菌人工飼料育法を導入した。殺菌したスチロール箱(L,22 X W,16 X H,4 cm)に150g無菌人工飼料を敷き、1~4齢と4齢幼虫期に1回餌替えをし、5齢幼虫期には2回餌替えをすることにより、繭形成・蛹まで飼育することが出来た。なお、今年度に計画していたメンデル遺伝の検証交配については、交配親について検討した。 3.教材開発3(集団レベルからのアプローチ):人工飼料で発育させた均一な4齢幼虫を異なる個体密度(1区:3頭/箱、2区:10頭/箱、3区:25頭/箱)で飼育し、5齢後期における各区の平均個体体重を比較した。その結果、1区に比べて2区と3区では有意に体重が30%程度減少していた。繭形成率は、1区と2区では100%であるのに対して、3区では56%に留まった。また、2区での平均繭重は1区よりも35%減少していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.教材開発1:当該課題の中核手法である簡易活性検出法を開発することができた。また、この方法を用いた小規模レベルの試行的授業を実施し、生徒の関心度、受け入れ性を調査した。一方、次年度に計画していたDNA抽出法の検討を前倒しにして実施した。 2.教材開発2:人工飼料で飼育する方法を導入した。既にルーチン化することができ、周年に亘り実験材料を計画的に供給できる体制を構築した。この方法を用いて、メンデル遺伝の検証交配を予定していたが、交配親の選択に留まっており、交配結果が得られていない。 3.教材開発3:成長パターンの追跡から飼育時の個体密度影響について、主たる課題目的を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.教材開発1:消化液アミラーゼとプロテアーゼについて、最適反応pH、最適反応温度、酵素阻害剤による検討、酵素力価の測定などの酵素学的特性を調べる。また、これら酵素のcDNA情報、遺伝子発現から酵素合成および消化管への分泌に至るプロセス情報を図式化し、生徒に理解しやすい学習資料を作成する。また、試行的授業をして、受け入れ性を調査する。 2.教材開発2:選択した系統を用いて、メンデル遺伝の検証交配実験を行い、教材としての問題点を抽出する。また、♀成虫から性フェモロン(ボンビコール)を抽出し、誘引行動様式の解析実験をする。計画では、ボンビコールおよびtrans/cis体の異なる類似化合物を用いて、誘引活性と化学構造との相関性を調べる予定であったが、現時点で市販品からの供給が見込まれないため、抽出ボンビコールとC16脂肪アルコールと比較する予定である。 3.教材開発3:再現実験と共に、今年度の結果から導かれる結論を補強する実験に取り組む必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
メンデル遺伝の検証交配を予定していたが、交配親の選択に留まっており、交配結果が得られていないため、その経費が残ってしまった。 メンデル遺伝の検証交配を実施するために使用する。
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Research Products
(2 results)