2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25350250
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
森本 弘一 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (70243350)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | カイコ / PCR / 高校生 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き「手動ポリメラーゼ連鎖反応法によるカイコの雌雄判別」の開発、改良と行った。カイコのW染色体(♀)を特異的に同定できる11のRAPD(増幅断片多型DNA)マーカーの中からW-Yukemuri-SとW-Bonsaiに着目し、サーマルサーキュラーを用いてPCR法による増幅条件を決定した。(1)DNA抽出と鋳型DNA量-カイコ後部絹糸腺からDNAをうまく分離でき、そのDNAを反応液あたり2.5 ng以上/μLを加えて、鋳型とした。(2)反応の繰り返し回数と反応温度の範囲-反応温度は、92-96℃30秒間、56-61℃で30秒間、68-73℃で1分間であり、この温度サイクルを30回繰り返した。これらの条件下でのPCR産物をアガロース電気泳動で分離すると、単一の雌特異的マーカ―バンドが現れた。手動PCRを確立するために、は、3タイプの水槽(1)ホットプレート付きスターラー(2)スターラーに置いた温度制御器つき恒温水槽(3)温度制御器と噴流ポンプ式攪拌機を備えた恒温水槽を用いた。これらの水槽の温度は、設定温度の1.5 ℃以内の範囲で制御することができた。これらの水槽にサンプルを順次浮かべる操作を30回繰り返した。その結果、サーマルサーキュラー機器を用いたPCRと全く同じ増幅産物が得られ、雌特異的マーカーである。W-Yukemuri-SとW-Bonsaiが単一バンドとして検出された。このことから、手動PCRを用いてカイコの雌雄判別ができることが明らかとなった。この「手動ポリメラーゼ連鎖反応法によるカイコの雌雄判別」が高校生で実施可能であるか検証を行った。高校2年生5名を対象とし、講義と実験を行った。その結果、高校生も同様な結果を得ることができ, 内容も理解できていた。以上のことから、今回開発した手動PCRは、高校生にPCRの原理を理解させることに有効であることが期待される。
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Research Products
(1 results)