2014 Fiscal Year Research-status Report
保育現場での子ども・保育者を対象とした天文教材開発
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25350251
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
富田 晃彦 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20294291)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 科学教育 / 天文教育 / 幼児教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
保育園・幼稚園・学童保育に出向き、園児または小学生に、科学の見方・考え方の基礎(「科学の芽」と呼ぶことにする)を育ててもらうことを目的に、「うちゅうのおはなし」あるいは「天文あそび」という名前の科学あそびを行っている。その評価方法を研究すると同時に、教具を作り上げていくことを、この研究の目的としている。 今年度は2つの保育園に計7回、4つの幼稚園に計4回、1つの子どもの家(児童養護施設)に計1回、以上合計12回、現場を訪問した。これまでの実践をもとに教具として完成させていくことについては、まだ十分進められていない。一方、実践を振り返りつつ行ってきた評価方法の研究については、昨年度に続き、当初の予定以上の進展があった。 評価方法については、園児らとの会話の録音の分析から、「科学の芽」を現場の保育者とともに拾い出すという方法をとっている。科学の芽として、観察する、解釈の努力をする、意見交換する、確かめる、などといった「科学的な基礎的技能」と、自分の意見と他の人の意見を総合する、新たに接した視点で自然現象を積極的に探そうとするといった「科学的な態度や視点」の2方面に注目している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究概要のところでも記したが、実践を教具として完成させていくところは、まだ十分に達成できていない。 一方、評価方法の研究は、昨年度に続き、当初の予定以上に進んでいる。また、評価方法の研究が進んだことで、教具としての完成度も高まる見通しが立ってきた。 以上を総合して、「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
評価方法については、2015年度の国際天文学連合総会での研究発表で発表し、議論を深める。 評価方法についての議論に集中して研究するのは昨年度、今年度とし、教具としての完成を次年度以降、急ぐ。 評価方法の研究を土台にして、海外の実践者との議論を深める。可能ならば、共同実践の可能性を探りたい。
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Causes of Carryover |
次年度は海外での学会発表を2件準備している。8月にアメリカ・ハワイで開かれる国際天文学連合の総会、9月にフィンランド・ヘルシンキで開かれる欧州科学教育学会の大会である。いずれも今年度中に発表申し込みを済ませている。前者では主に、評価方法についての研究発表、後者では主に、科学教育における幼児期と学童期をつなぐ課題についての研究発表を予定している。このための旅費確保が必要なため、今年度は支出を抑えられるところは抑え、次年度の研究発表が十分行えるよう、備えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の理由の欄に記したように、海外での研究発表2回を行うことが、使用計画である。
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