2014 Fiscal Year Research-status Report
ザンビア農村部における持続発展教育(ESD)の理念による環境教育の実践研究
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25350253
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
近森 憲助 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (40108874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 由美子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (20177273)
小澤 大成 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60253241)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 水とくらし / 環境データ / 環境教育プログラム / 授業構成の類似性 / 水の循環 / 温度計の使い方 / ワークショップ / 授業提示 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度においては、平成26年6月、9月、11月及び平成27年2月の計4回にわたり、「調査対象校3校の教員を対象としたワークショップの実施」、「授業の提示」、「授業観察」「現地調査」を実施した。ワークショップにおいては、授業の観察方法や観察結果の分析方法などについての助言・指導を行うとともに、「水とくらし」及び「水の循環」などをテーマにした授業案の検討及び環境データ(各学校の井戸水の水質及び周辺の気温)を現地教員に還元した。授業の提示では、「水とくらし」、「水の循環」及び「温度計による気温測定法」をテーマとする授業を、調査対象校3校の教員が参観する中、児童・生徒に対して実施し、授業後検討会を実施した。授業観察では、Social Development Studies (SDS)及びIntegrated Science 及び算数の授業を参観した。その結果、SDSの授業について、学校や教員によらない授業構成上の類似性が認められた。このことについては、このことについては、国内、国外での学会で口頭発表するとともに、論文としても発表した。 このような調査研究による成果は、3件の水や環境の質を知るための方法をテーマとする授業案が作成されたこと、ほぼ1年間にわたる気温や水質などのデータが蓄積され、順次現地教育関係者にも周知されつつあること、ある樹木に関する地域知が、学校の教育活動を通して収集されたことである。また、調査研究の成果を踏まえつつ、本研究において開発を目指す環境教育プログラムの枠組みが作成され、成果を統合するための基盤が確立された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
合計4回、渡航期間合計約1か月にわたる現地調査の実施により、本研究が目的としている「持続可能な開発のための教育(ESD)」の理念に基づいた環境教育プログラムの要素となる授業プランが現地教員との協議を通して、確実に作成されつつある。現在、「水とくらし」、「水循環」など水に関する授業案が2件、算数の教科内容と融合をねらいとした「温度計の使い方」に関する授業案1件をすでに作成済みである。また、本研究を開始する前の本研究調査対象地域における予備調査の段階で作成・提案した、水及び樹木観察に関する授業プラン2件をあわせると、本研究にかかわる授業プランは5件となった。また、現地に長く伝えられてきた環境に関する地域知やほぼ年間にわたる気温及び水質の変化に関するデータも蓄積された。また、授業プランの企画・立案によって重要な基礎データとなる授業観察データも蓄積され、現地調査対象校での授業には、授業構成上の類似性があることを認め、二種の理論枠組みを活用して分析した。 このようなことから、来年度における研究成果の取りまとめのための準備は順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度が本研究の最終年度となるため、平成26年度に作成した環境プログラムの枠組みにそって、最終成果物である現地の現実に根差した環境教育授業プラン及び実践事例集を作成する。また、調査研究に参加した現地関係者をも含めて、本研究に関する評価を実施する。
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