2014 Fiscal Year Research-status Report
発達に応じて進化する初・中等理科教育のための化学発光観察・実験教材の開発
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25350269
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
松本 正勝 神奈川大学, 付置研究所, その他 (10260986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 信子 神奈川大学, 理学部, 助教 (40291744)
佐野 裕之 神奈川大学, 付置研究所, 研究員 (50739357)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 化学発光 / 理科教材 / ジオキセタン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はジオキセタン型化学発光化合物を“視覚に訴える”に力点を置いた理科教材として開発しようとするものである。平成25年度において200種以上に及ぶジオキセタン型化学発光化合物の中から化学発光実験用の教材となりうる発光特性を有するものを①発光色調、②発光の効率、および③発光持続時間の3つの特性から10種強を選別し、さらに安全性を考慮し熱安定性の高い発光化合物を選定した。平成26年度においてはこれらの中から1-(4-benzothiazol-2-yl-3-hydroxyphenyl)-4,4-dimethyl-2,6,7-trioxabicyclo[3,2,1]heptaneの5位に嵩高さの異なるアルキル基を導入した化合物を中心にしてそれらの演示実験および理科実験への適用の可能性を検討した。その一つのトッピクは光るシャボン玉の作成である。 さらに前年度に引き続き理科教材の候補として選別した発光化合物を用いた化学演示実験を大学内で開催された様々な講習会において①中学校および高等学校理科教員(10名強)および②高校生(約20名)を対象にして実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載したように、当初の計画通り、“視覚に訴える”理科教材の開発という視点で、前年度において設計・合成した200種以上に及ぶジオキセタン型化学発光化合物の中から化学発光実験用の教材となりうる発光特性を有するものを選別したが、それらの化合物を“安全に実験を行う”に重点を置いてさらに絞り込んだ。その結果、熱安定で室温での長期保存が可能、かつ明るく発光する化合物として概要に記したものを選び、児童、生徒たちの好奇心を惹きつける演示実験を工夫した。また、前年度に引き続き理科教員や高校生を対象に予備的な演示実験を実施し理科教材としての可能性を探った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度において選別したジオキセタン型化学発光化合物を用い、高校および中学の理科・化学教師、さらには小学校教員による演示実験用教材の開発を行うことを計画している。一方で安全に演示実験を行うための実験マニュアルの作成と生物発光との接点を求めたストーリーの構築を行う。 上記の計画、方策に加えて、“化学エネルギーの光エネルギーへの変換”という視点からジオキセタンに限らず過シュウ酸/蛍光色素系の化学発光も取り入れ、両者の長所を利用した理科教材の開発を目指す。また、光/色素/酸素によるジオキセタン化合物の合成を通じて、上記とは逆の“光エネルギーの化学エネルギーへの変換”という視点の理科実験を組み上げたい。
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Causes of Carryover |
平成26年度における計画の一部が予定通り実施できず、幾分の予算残となった。 主には、旅費交通費である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は本研究の最終年度であり、学会での発表、論文作成(論文校閲含む)にも鋭意取り組む予定である。
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