2015 Fiscal Year Annual Research Report
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25350270
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
栃窪 優二 椙山女学園大学, 文化情報学部, 教授 (60465507)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 大震災 / 映像記録 / 宮城県石巻 / 防災教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災による死者・不明者は1万8千人。テレビ報道は一定の役割は果たしたが、災害報道という視点では様々な課題が浮き彫りになった。震災報道は、復興支援や防災対策の策定、防災意識の向上のため、正確な事実を伝えるほかに、バランスの取れた継続性、長期的な視点が求められる。しかしテレビ報道は、現実に直面する目の前の報道が優先され、長期的な視野に立った震災の映像記録を残すことは難しいのが現状である。千年に一度の大震災の教訓を次世代に正確に伝えることは容易なことではないようだ。 そこで本研究では、震災被災地の現状を研究者の視点で映像記録に残すことを目的に立案した。宮城県石巻市とその周辺を取材フィールドにして、研究期間である2013年度~15年度に計14回の現地取材を実施した。1回の取材は3日~5日の日程で行い、AVCHDカメラを使ってハイビジョン映像で記録した。取材・撮影は石巻市門脇町のほか、市街地から離れた大川小学校や隣接する女川町、牡鹿半島の半島部地域などを中心に実施した。 その結果、東日本大震災の被災地、宮城県石巻市の映像記録(6分程度)を日本語版26本・英語版1本、計27本を制作した。被災地の復興に向けた現状を記録した映像ドキュメンタリー(17分~30分)を4本制作した。これらの映像は全てインターネットで公開した。防災教育などのビデオ教材として小中学校、高校、大学で活用されると共に、被災地の震災資料館等で上映展示されている。 震災から5年が経過したが、被災地では大勢の人が仮設住宅で生活している。本研究は終了したが、現地での取材を通して、こうした震災を映像記録で残すことは、震災後10年は継続する必要があると感じた。
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Remarks |
映像記録を上記のインターネットサイトで動画公開しています。
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